第三幕その十
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がありました。けれどそれは」
「僕はそれなしでも貴女を」
「貴方には感謝はしています」
彼女もまた。言い繕うだけであった。
「ですが。それは」
「それでも僕は」
「貴女と伯爵様を」
夫人はここではゾフィーに声をかけた。
「はい」
「ご一緒に家へ送らせて頂きましょう」
「えっ・・・・・・」
「それは・・・・・・」
あまりにも直接的な言葉であった。二人はすぐにわかってしまった。
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