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薔薇の騎士
第一幕その三
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で一礼するオクタヴィアンに対しての言葉だ。だがその顔は笑ったままだ。
「とにかく。男爵が来るから」
「お通ししてとは言っていないのに」
「強引な人なのよ」
 ここでは困った顔を見せる。
「だからね。今はメイドのふりをしてね」
「わかりました。それでは」
「いやいや、奥様」
 その野太くて馬鹿でかい男の声がもう扉の前に来ていた。夫人はオクタヴィアンを隠してからそちらに顔を向けて応える。
「どなたですか?」
「貴女の忠実な僕です」
 一応言葉は丁寧である。

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