第一部第二章 銀河の群星その一
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艦隊司令、そしてやがては軍の指導者となっていくであろう」
「そう上手くいくでしょうか」
秘書は問うた。
「いくだろうな。もっともそれからはわからんが」
彼はそう言って席を立った。
「まあ今はただ見ているだけでいいだろう。当分サハラの情勢は大きくは変わらん。相変わらず彼等同士の抗争が続くだけであろう」
彼は顔から笑みを消して言った。
「西方もオムダーマンは大きく勢力を伸ばすだろうがまだまだやらねばならぬことがある。それにサラーフもこのまま黙ってはおるまい」
「第二勢力であるミドハド連合の存在もありますしね」
「そうだ。彼等もカッサラ星系は狙っているだろうからな。場合によってはサラーフと手を組むかもな」
「それは・・・・・・」
秘書はその言葉に対しては疑問をあらわした。
「ほう、それは彼等が犬猿の仲だからそう思うのかな」
彼は秘書に対して微笑んで言った。
「確かに彼等は建国以来の対立関係にある。だがそれも共通の敵が現われた場合に限り別だ」
「敵の敵は味方、というわけですか」
秘書は言った。
「そうだ、共通の敵が出来たならば手を組む、それが政治だ」
彼は顔を元に戻して言った。
「その証拠に連合がそうであろう。連中は宇宙進出の頃から我々に対しては団結する」
彼はその知的な顔を少し嫌悪で歪ませた。
「普段はまとまりに欠くというのに」
秘書は彼よりも露骨に嫌悪感を露わにした。
「そうだ。しかもここ二百年は中央政府の権限を強化してきているときた」
「その方が連中の開拓にとって有利ですからね」
「そう。あれだけの勢力を持ってまだ開拓するところがあるのだ」
ラフネールは忌々しげにそう言った。
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