第一幕その十二
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出して捕まえようとするものは消えて」
「そして」
「霞と夢の様に消えていくのよ」
「そんな悲しいことを仰らないで下さい」
オクタヴィアンもそんな夫人の声を聞いて悲しみに包まれる。無念そうに首を横に振る。
「貴女にとって私が大したものではないとでも」
「カンカン、わかって」
(この子もいずれは私の前から去るのに。この子を慰めなければならないのね)
それが結ばれない恋の終幕である。わかってはいたが。
「今何と」
だが今の言葉はオクタヴィアンの耳にも入っていた。夫人は不覚にも己の心を言葉に出してしまっていたのだ。
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