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星河の覇皇
第三部第三章 獅子身中の虫その六
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「どうすればいい?」
 彼等のある者達は密室で会談していた。
「どうすると言われても」
 だが誰もよい案が思い浮かばない。だがここにある者がやって来たのである。
「そういう時にはうちの力を使えよ」
 見ればテレビ局に勤めている構成員の一人である。こうした団体はよくマスコミに顔を出す。何故ならマスコミにも彼等の仲間がいるからである。
「うちのテレビ局、いや系列会社を総動員してキロモトや八条を叩く。これはかなりの効果があるぞ」
「そうか、マスコミの力を使うのか」
 彼等はそれを聞いて顔を明るくさせた。
「そうだ、サラーフみたいにな」
 サラーフのマスコミの力は彼等も知っていた。連合のマスコミは各国ごとに分かれているがつながりはある。もっともその企業の考え方や契約によるものであり全てが同じというわけではないが。中にはセンセーショナルなスキャンダルを好むところもあればおかたいところもある。ある政党に好意的なところもあれば別の政党に好意的なところもある。スポーツのチームにしても然り。企業家向けのところや農家向け、商人向け、ビジネスマン向けと職種ごとにも分かれていたりする。こうしたふうに連合国内のマスコミは複雑に分かれ繋がっている。なかにはこうした市民団体向けのところもあるのである。だがこうした市民団体向けのマスコミの発言権はマスコミの中では強い。やはり『良識』というものを標榜しているからであろうか。人々はこの文字に弱い。だがサラーフと違うのはネットの存在も強くマスコミだけが発言し、情報を持っている
というわけではないことである。だが彼等もまたネットを使う。
 ネットにおいても彼等は暗躍した。こうした謀略はお手のものである。
「八条の黒い関係」
「軍での八条」
 こうした匿名の中傷記事を流し続けた。そして彼の失脚を図ろうとした。
 だがそれは全て失敗した。それ等は全て根拠のない捏造であるとすぐに論破されていった。
 軍の中にも八条をよく知る人物が多くいた。彼等はその人となりをよく知っていたのだ。
「あまり面白みのない男だが」
「女性の話がやけに少ない。あれ程の男前が」
「もしかして男色家ではないかと思ったことはあるが」
 そうした話は出ることはあったがおおむね彼の評判はよかった。彼は軍人としても真面目で有能であったのだ。
 そして黒い関係もなかった。彼は意外にも資金には困っていなかったのだ。
 彼の家は名家である。代々大きな土地を持ち企業も幾つか持っている。政治活動をするうえでも一向に差し支えない程にあったのである。
 それに彼は軍事畑を歩いていたのでそうした裏の世界には疎かった。軍需産業というのは技術投資の割にはあまり採算がないのである。特に日本の軍需産業というのは他の大国と比べるとあまりに勢力が小さかった。
 そ
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