第三部第三章 獅子身中の虫その六
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れはよく識者達から指摘されていた。費用のわりには性能は落ちるのではないか、と。
実際は日本の兵器の質は高かった。だが少数生産でそのうえ他国に輸出もしないのであまり需要がなくほぼ手作りだったのである。今彼等は連合中央政府の受注した兵器を製造している。兵器の開発は連合においては国防省の技術部が行なっている。統一された兵器を開発する為だ。
結局ネットによる中傷は失敗した。次に連中が仕掛けたのはマスコミによるネガティブキャンペーンである。これも実に古典的な方法である。
印象操作や記事の捏造、改竄を行い放送を編集して流した。これにより八条を不当に貶めようとしたのである。マスコミの常套手段でありサラーフのマスコミもよく行なっている。
だがこれも失敗した。その捏造や改竄が暴露され逆に糾弾されるようになったのである。
今度は彼等に疑念が降りかかってきた。
「何故ここまで八条を攻撃するのだ?」
ちなみに当の八条は意に介さず、であった。彼は元々マスコミにどう思われようが気にしない人物であった。そしてただ自分の仕事を進めていくだけであったのだ。
これが逆に効いた。マスコミだけがムキになりその異様さが浮き彫りになったのだ。
「おかしくないか?」
ネットで彼等はそう指摘された。
「八条にいられると何か不都合でもあるのか?」
そして誰かが調べはじめた。そのマスコミの構成員と人物関係を。そして驚くべきことがわかったのである。
彼等はとある市民団体と密接な関係にあった。これは以前より指摘されそれを批判されてきていた。そしてその市民団体のメンバーの交友関係もわかった。
何と彼等のメンバーの多くはテロリストのメンバーと交遊であった。これは彼等が学生時代に知り合った関係でありその資金もテロリストからによるものが多かった。テロリストはよく密輸や麻薬の密造で資金を得ていた。反権力や革命を唱える者達の正体は犯罪者であったのだ。
そして宇宙海賊ともつながりがあった。彼等の中に海賊と親戚の者がいたのだ。
「何だこりゃ、テロリストや海賊と関係があるのかよ」
そうした意見がネットに集まった。
「よくあることだ」
「むしろ充分考えられたことだろうが」
ネットでそうした意見がまじあわされることになった。そしてそのマスコミと市民団体は次第に追い詰められていった。
そして彼等は遂に警察の捜査を受けた。この時代マスコミは聖域ではなかった。そうした風潮がその権力集中と腐敗を招いたことを皆知っていたのである。
捜査の結果そのマスメディアと市民団体、そしてテロリストや海賊との関係が暴露された。彼等は裁判にかけられ実刑判決を受けた。
「私をやけに攻撃してくると思っていたら彼等が自滅したな」
八条はテレビを見ながら半ば他人事のように言った。彼にとっ
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