第三部第三章 獅子身中の虫その四
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績を考えると当然じゃないかしら。大統領にも渡されているわよ」
「それは初耳です」
八条は言った。
「まあまだマスコミには発表していないけれどね。ネットでもまだ出ていない話だし」
「私が授けられる前にですか?」
「そうよ。大統領より先に渡される筈がないでしょう?まずは大統領、そして首相に陛下御自ら御渡しされたのよ」
「そうだったのですか。そういえば一週間前陛下が大統領と会談されていましたが」
「ええ。表向きは宮中晩餐会だったけれどね」
やはり晩餐会はこの時代でもある。とりわけ皇室の晩餐会は格式が高いことで知られている。ここで失敗した場合元首だけでなくその国自体の器も見られてしまう。それだけに気の抜けない重要なイベントである。
「その時に渡されたのですね」
「そうよ。君が地球に戻ったら発表される予定よ」
「そうだったのですか。ところで」
「何?」
八条はさらに問うた。
「何かお考えがありますね。我々に大勲位を授けるよう陛下に申し上げたのは」
「当然よ」
伊藤はその質問に対し笑みで答えた。
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