暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜ニ人目の双剣使い〜
番外編コラボ(蒼の輝石)
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「フェンリル……」

元日本人ならば知ってるだろう。ラグナロクでは北欧神話の最高神、オーディンを呑み込んだと言われる神狼。ケンが尻込みするのも無理はない。だが、その伝承を全く知らない彼のパートナーは余裕の表情だ

「さっさと行くわよ。場所はどこ?」

「この森を抜けた先にある村だ。……こっちだな」

「ふうん……ならさっさと行きましょう」

そう言ってすたすたとリンの指差した方向へ歩きだすクリア。クリアに続くリン。……そして、呆然と見送るケン……

「……ってちょっと待って!!」

「……何よ?」

自身の歩みを止められたからか凄く不機嫌な声を出すクリア

「どうした?」

いつも通りの表情で振り返るリン

「なんで……フェンリルって聞いてそんなに落ち着いていられるの?だって神も殺せる狼だよ?」

まあ、恐れるのも無理はない。そのフェンリルが伝説の通りなら

「何を言ってるんだ?この世界はゲーム内。そんな強さを持ってたら誰もクリアできるわけ無いだろうが」

苦笑いを浮かべるリンとクスクス笑っているクリア。それを見て顔を恥ずかしさで真っ赤にするケン

「……いいよ。フェンリルなんて僕が一人で倒してやる!」

「へぇ……」

「期待してるわよ」

軽く自棄になったケンがそう叫ぶ。リンはおもしろそうに笑い、クリアは純粋な期待の表情をその顔に浮かべた









「さーて、いよいよフェンリル戦だが。覚悟はできてるか?」

フェンリルのいると思わしき場所は山に建てられていた巨大なドーム。入り口を入るとそこから真っ直ぐ道が伸びており、突き当たりにはこれまた巨大な門が鎮座していた。ちなみにそこに行くまでに出てきたモンスターは0。どうやらボスだけのダンジョンらしい。その奥の扉に手をかけてリンは先ほど啖呵をきったケンに声をかける

「……うん」

先ほどのやけくそな感じは消え、純粋に目の前の戦いに集中しているようだ

「……いい目だ」

リンと一緒に戦った"黒の剣士"も同じような目をしていた。物語の主人公、真の英雄の目を

「まあ、心配するな。俺もちゃんと加勢するしな」

リンは視線をその目から外すと扉を見据える

「しょうがないから私も加勢するわよ」

そうは言いつつもわくわくしてるのが表情にでている

「よし、じゃあ行くぞ」

そうリンは言うと扉に手をかける。が

「あ、ちょっと待って」

ケンはあわてた様子でリンを止めた

「武器を創らないと……」

ここには材料も作るための道具も無いぞ、と言いかけたリンはその口を閉じる。なぜならケンの手が発光し始めたからだ

「想いよ、形となりて我が刃となれっ!……頼むぞ……
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