第二部第五章 次なる戦いへの蠢動その三
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ことは許さん。ましてやサハラの地に足を踏み入れるなど」
杯を持つ指が微かに白くなった。
「断じて許されんことだ」
感情が少し垣間見えた。
「その通りでございます」
執事もそれに賛同した。
これはサハラの者なら大方が持っている考えであった。彼等にとってエウロパは憎むべき侵略者であり彼等をサハラ北方より放逐することがサハラの民族主義者達にとっての悲願であった。そういう意味でこのシャイターンもまたサハラの者であった。
「今は我等のはそこまでの力はない。だが力は増えるものだ」
「はい。そして力を増やしたならば」
「その時こそ動く時だ」
その黒い瞳が光った。それは大地ではなく彼の戦場である銀河を見ていた。銀河は戦乱を見守りながらその無限の輝きをたたえていた。
第二部 完
2004・5・28
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