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星河の覇皇
第二部第三章 魔王その三
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民から今の政権の侵略政策には不満が多いというのに」
「成程」
 彼等は頷いた。
「ではすぐにサラーフとの戦いの準備に入りましょう」
「当然ですね。今回は早期戦になるでしょう」
「何故ですか!?」
「エウロパが再び変な気を起こさない為にです」
 シャイターンは答えた。そして彼等はサラーフとの国境にすぐに向かった。
 その動きは速かった。瞬く間にサラーフとの境であるアムド国のズアラ星系に到着した。
 そこには既にサラーフの艦隊が来ていた。七個艦隊、兵力にして約七百六十万、七万隻という大軍である。
 それに対するシャイターン率いる北方諸国連合軍は四個艦隊であった。一個はエウロパの備えにエマムルドに残しておいたのだ。兵力は四百二十万、艦艇は四万をかろうじて越えるだけであった。
 双方敵を発見するとすぐに動いた。まずは正面での戦闘である。これは数において有利に立つサラーフがそのまま有利に立った。シャイターンは一戦してすぐに兵を退かせた。
「逃げたか、追え!」
 サラーフ軍の指揮官は即座に追撃の指示を出した。全軍そのまま追撃する。
 しかしシャイターンの用兵は迅速であった。サラーフ軍を瞬く間に離していった。
「何という速さだ。だがいい」
 司令官は戦いに勝ったと思った。
「あとはこの星系を占領するだけだ」
 そして各惑星に艦隊を送った。揚陸艦を送り占領を開始する。有人惑星はないが軍事基地は複数存在する。それに対し攻撃を仕掛ける為だ。既に将兵は撤退していたが簡単なトラップや無人兵器が存在する為だ。
「敵は惑星占領に取り掛かったか」
 シャイターンは隣の星系でその報告を聞いた。
「はい、既に半分程を占領したそうです」
 参謀の一人がそう報告する。
「そうか、機は熟したな」
 彼はニヤリと笑った。
「全軍に伝えよ。すぐに反転しズアラに向かうとな」
「ハッ」
「そして敵艦隊を各個撃破していく。一兵たりとも逃すことなく」
 戦いを前にしたは異様に落ち着いた言葉であった。
「では行こう、勝利は我が手にある」
 そして北方諸国軍はズアラに向かった。敵に見つからないように通信を途絶し密かにズアラに入った。
 まずは一番外側の惑星を攻略していた艦隊を襲撃した。
「何っ、敵襲!?」
 その艦隊を指揮していた司令官は思わぬ敵襲に戸惑った。
 すぐに艦隊を出撃させようとする。だがそれより前に惑星への攻撃がはじまった。
「あの惑星には敵しかいない。遠慮なくやれ」
 シャイターンは言った。将兵はその言葉を待つまでもなく攻撃を仕掛けていた。
 その艦隊はあえなく壊滅した。シャイターンはすぐに次の惑星に向かった。
 そうして僅か一日で三個艦隊の通信が途絶した。司令は不思議に思い残る艦隊に連絡を入れた。
 彼が直率する艦隊を含
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