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星河の覇皇
第二部第三章 魔王その二
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は今後の方針も決まったな。だがオムダーマンにも今後順調に勢力を拡大してもらっては困るな」
「ではその為に手を打っておきますか」
「時が来ればな」
 彼は意味ありげに笑った。
「いずれ彼等にも消えてももらわなければいけないのは事実なのだしな」
「はい、ではそれはサラーフとの戦いの後で」
「うむ、準備はしておこうか。頼むぞ」
「そちらはお任せ下さい」
「よし。では話をこちらに戻すとしよう」
 彼は酒で喉を潤して言った。
「エウロパの軍勢は持久戦に持ち込もう。そしてその間に色々と手を打つか」
「戦いは何も正面から剣で斬り合うばかりではありませんからな」
「そうだ。それでは私の戦い方を彼等に見せてやろう」
 ハルシークは席を立った。そしてシャイターンはそのまま休息をとった。

 数日後エウロパ軍がエマムルド星系に到着した。それに対しシャイターン率いる北方諸国連合軍は正対して布陣していた。
「攻撃に移りますか」
 旗艦リェンツィの艦橋でプロコフィエフがモンサルヴァートに対して尋ねた。
「うむ」
 彼は頷いた。まずは一斉射撃を加えた。
 だがそれは殆ど効果がなかった。北方諸国軍は前面に特殊合金による防壁を置いていたのだ。
「楯にするつもりか」
 そしてその間から攻撃を仕掛けて来る。モンサルヴァートはそれを見て顎に手を当てた。
「敵の将はシャイターン隊長だったな」
「はい、今は彼等の全ての軍の全権を委任されています」
 プロコフィエフが答えた。
「そうか。噂通りだな。中々考えている」
 モンサルヴァートはモニターに映し出されている敵の陣を見ながら言った。
「右に磁気嵐、左にはアステロイド帯。そして上下には機雷を撒いている」
「我々の動きを制限する為でもありますね」
「そうだ。我々は彼等を正面から打ち破らない限りこの星系を手に入れることはできないな」
「では一気に打ち破りますか」
「それも愚だ。わかるだろう」
「はい」
 彼女はそれを知りながらモンサルヴァートの考えを知る為にあえて問うたのだ。
「ここで彼等を打ち破ってもこうした防衛線を二重三重に置いている筈だ。下手に攻撃を仕掛けて戦力を消耗すべきではない」
「それでは予備戦力をこちらに呼びますか」
「そうだな。攻撃を仕掛けるのはそれからだ」
 彼は決断した。そして補給線を確保したうえで敵軍と向かい合って布陣した。
「さて、エウロパ軍は動きを止めたわけだが」
 シャイターンは会議室で諸国の提督や参謀長達を集めて軍議を開いていた。
「彼等は侵攻を諦めたわけではない。これはわかっていると思う」
「はい」
 ここにいる殆どの者はシャイターンより遥かに年長である。しかし彼はそれに対し全く臆することなく話をしている。
「今後方から予備戦力を呼んでい
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