第二部第二章 狐の登場その二
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アをノックする音が聞こえてきた。
「入れ」
二人の男が入って来た。
「やっと来たな」
シンダントは前にいるその男を見て顔を顰めた。
「おいおい、同期に対してやけに冷たいじゃないか」
彼はそれに対して笑いながら言った。
「当然だろ。貴様を知っている人間で顔を顰めない者はいないぞ」
シンダントは辛辣な言葉を出した。
「やれやれ。皆少しは内面というものを見て欲しいものだ」
「その内面を見て言っているのだが」
シンダントの言葉は厳しさを緩めない。
「彼がハルヴィシー中佐か」
アッディーンはそのやりとりを見てシンダントに尋ねた。
「はい。アスランより只今到着致しました」
ハルヴィシーは敬礼して答えた。
「よく来てくれた。貴官の任務は聞いているな」
「はい。この星系にいるミドハドの抵抗組織及びそれと結託するサラーフ特殊部隊の一掃ですね」
「そうだ。わかってくれているようだな」
実際アッディーンも不安であった。シンダントの話からは到底まともな人物とは思えなかったからだ。
「では早速取り掛からせて頂きたいのですが」
ハルヴィシーの目が光ったのを見た。
「到着してすぐにか」
「はい。既にサラーフの艦隊がこの星系に向かっていると聞いていますし。彼等が来る前に倒しておきたいでしょう」
「それはそうだが」
だが準備等もあるだろう、と言おうとしたその時だった。
「部下達に既に準備は整えさせております。要員は全て配置に着いております」
「もうか!?」
これにはアッディーンもシンダントも驚いた。
「はい。ここに来る前に打ち合わせをしておきましたので。あとは私が現場に行くだけです」
「陣頭指揮をとるのか」
「そうです。連中を相手にするにはそれが一番ですから」
ハルヴィシーは当然といったふうに言った。
「提督は敵艦隊に専念して下さい。ハルドゥーンは私が引き受けますから」
「頼めるか」
「はい」
シンダントは一瞬アッディーンの顔を見た。そして彼の決断を知った。
「では頼む。貴官の言う通りこちらはサラーフの艦隊に専念させてもらう」
「わかりました」
こうして彼等はそれぞれの敵へ向かった。ハルヴィシーはまずスラム街に入った。
「まずはここからだな」
彼はその複雑に入り組んだ小路を見回して呟いた。
「ウルドゥーン中尉」
そして隣にいるウルドゥーン中尉に声をかけた。
「ここにいるメンバーは誰だ」
「はい、サルダーン大尉とマナーム少尉、そして二人の部下十人程です」
「そうか」
その声も表情もカッサラのようにふざけたものではなかった。、まるで全てを見抜くような鋭いものであった。
「彼等に伝えてくれ。まずはここを取り囲めと」
「わかりました」
ウルドゥーンは携帯のメールを打
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