バカ四人衆(後編)
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「ようやく、来たか」
戻ると朱雀が仁王立ちしていた
「おまえは青龍の身の上を知ってるのか?」
そう聞くと朱雀は首を横に振った
「知らん。つらいことなんて誰にでもある。それをわざわざ聞こうとは思わん」
「おまえ……」
その時俺は本当に驚いた……
「ただのバカじゃなかったんだな……」
……そこに
「そんなわけないだろ!……それに俺はぁ、今楽しければそれでいいしなぁ」
「俺の感動を返せ……」
やっぱりこいつはバカだ
「よくぞ、我が三人の刺客を倒したな」
悪役か、お前は?……こっちからしたら悪役か
「四神獣最強のこの俺、朱雀がお前を倒してくれる!」
いろいろと突っ込み所があるが……
「朱雀、白虎、玄武、青龍は四神獣じゃなくて、四聖獣だぞ?」
なに一つ上の存在になってるんだ?
「……細かいことはどうでもいい!さあ、戦おう!」
一つのことしか目に入らないバカだな。おい
負けるわけにはいかないので構えをとる。言い忘れていたが朱雀の武器は槍だ
「はっ!!」
かなりの速さで突進してくる。が途中でほぼ地面とは水平にジャンプ。そのまま地面に落ちて土を削った
「は?」
俺の前10メートルでピクピクしている朱雀。思わずほうけたような声を出してしまった
「あれ?なんで発動しねぇんだ?」
「……なにが?」
「いや……このモーションをとればソードスキルを発動できるはずなんだが……」
朱雀が何気なく発した言葉。その言葉は俺とキリト、エギル、クラインを硬直させた
今は無き死のゲーム。その最大の特徴であったソードスキル。それを発動しようとしたのだから
ニュース等は内容までは踏み込んだものではなかったはずだ。事実、ミユとシオンは首を傾げている。それを知ってるということは
「SAO生還者……なのか?」
その俺の呟きにさっきまで首を傾げていたミユとシオンも硬直する。四神……もとい四聖獣の面々は知っていたのか腕組みをしたまま黙っている
「まあ、そうとも言うな」
「そうなのか……」
「だが、そんなことは関係ねぇ!俺は今が楽しければそれでいい!」
「あの世界で……後悔したことはあるのか?」
俺自身、なぜその質問をしたのかわからなかった。事実、その質問に朱雀は一瞬キョトンとした後、軽く笑うと言った
「いっぱい後悔したさ。でも後悔したって失ったものは戻ってこねぇんだ。だったら、これからのことを精一杯がんばればいい。そう俺は思ったんだよ」
バカのようだが朱雀にはしっかりとした芯のようなものが感じられた。俺は……少しだけ((ほんの少しだけ))その性格がうらやましいと思った
……
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