輝く目の悪魔とニ対の双剣
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なすぐに帰るとは思えないし……だとすると……」
その不安は現実となった。微かに聞こえるそれはまさに悲鳴だった。それを聞いた次の瞬間俺たちは全力で走りだしていた。
「おい!大丈夫か!」
キリトが半身を扉の中にいれ叫ぶ
俺は中にいる人数を数える……二人足りない
「二人いない!」
「なにっ」
とその時一人が斬馬刀の横腹で薙ぎ払われ、HPを赤い危険域に落としつつ床に激しく転がった
「何をしている!早く転移アイテムを使え!!」
とキリトが叫ぶが男は絶望したような顔で
「だめだ……!く……クリスタルが使えない!!」
「なっ……」
離脱ができない今、姿が見えないということは
「何を言うか……ッ!!我々解放軍に撤退のニ文字は有り得ない!!戦え!!戦うんだ!!」
「「馬鹿野郎……!!」」
人が二人も死んでるというのにあの野郎はっ!
「おい、どうなってるんだ!!」
追い付いたクラインたちに簡単に事態を伝える
「な……何とかできないのかよ……」
「無理だ……離脱ができないこの空間でこの人数で飛び込むのは自殺行為だ……」
俺は強く手を握りしめる。現実ならば血がでてるだろう。俺は……無力だ……
そうしているうちに体制を立て直したらしいコーバッツ達が
「全員……突撃……」
二人はHPを限界まで減らして床に倒れている。残る八人を横列に並べコーバッツが剣をかざして突進を始めた
「やめろ……っ!!」
八人同時攻撃なんて常識はずれにも程がある行為。そうこうしてるうちに白い息を吹きかけられ動きが鈍ったところを悪魔の巨大な剣にコーバッツがすくい上げられ、HPが全損し、アバターを四散させた
「だめ……だめよ……もう……」
キリトはアスナの腕に手を伸ばすが、アスナは掴まれるより早く飛び出した
「だめーーッ!!」
「アスナッ!」
キリトも飛び出し、俺も続こうとしたがクラインに止められた
「なぜ、止める!」
「このままだと、全滅しちまう。おまえだけでも生きろ!」
「……親友を見捨てるぐらいなら死んだ方がマシだ。それに……」
そこで俺は言葉を切り、メニューを操作する
「俺たちは死なない。生き残るために行くんだ!」
新たな重みが腰に加わったのを感じ、駆け出す
「全く、どいつもお人好しだな……」
俺に追随しつつクラインが言う
「何だかんだ言いながらお前もついてきてるじゃねぇか」
「まあな。親友を見捨てるほど俺は腐っちゃいないってことさ」
「じゃあ、行こうぜ。生き残るためにな」
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