第一部第七章 壁と鉄槌その三
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ー反応がしました!」
「何っ、まさか!」
それが何か、わからぬ軍人はこの銀河にはいない。
「はい、駄目です、避けきれません!」
最後の言葉は最早絶叫であった。オムダーマン軍の一斉射撃がミドハド軍を下から打ちつけた。
忽ち数百の艦が撃沈された。エンジンを撃ち抜かれた艦が動きを制御できなくなりそのまま漂う。そして隣の艦にぶつかり共々爆発する。
ある艦は艦橋に直撃を受けた。そしてその中を炎が荒れ狂い忽ち全ての乗員をその中に飲み込んでいった。
オムダーマン軍は再び一斉射撃を仕掛けた。これは先制攻撃を受けたミドハド軍に対しさらに打撃を与えた。
「態勢を整えよ!」
司令の指示が下る。ミドハド軍はそれに従い艦隊の編成を立て直し艦の向きをオムダーマンに向けた。
だが遅かった。オムダーマン軍は二度の一斉射撃を終えるとそのまま突撃を敢行してきたのだ。
「全艦突撃せよ!」
アッディーンの右腕が振り下ろされた。それに従い全艦ミドハド軍にそのまま斬り込んだ。
まずは光子魚雷を放った。魚雷は敵の間を跳ね回りその腹や背を撃つ。そして混乱したところにオムダーマンの艦艇が踊り込んだ。
「イエニチェリ発進!」
アッディーンの指示が下る。そして新しく開発された航宙機イエニチェリが発進する。この出兵の前に配備されたものだ。攻撃力と機動性を重視した構造になっている。
イエニチェリはミドハドの艦艇の間を編隊を組んで飛び回る。そしてまずは迎撃にやってきたミドハド軍の航宙機に向かう。
「よし、一機一機確実にやれ!」
指揮官機から指示が下る。各機その言葉に従い散開した。
そして編隊全機でもってまず先頭の機を撃つ。それから次の機を。見れば他の編隊とも協力している。
ミドハド軍の航宙機は性能が高いことで知られている。だが先手を打たれているのと数の違いが出ていた。この宙域のミドハド軍には空母は少なかったのだ。その殆どをジャースクに向けていたのだ。
それが裏目に出た。ミドハド軍の航宙機は忽ちその数を大きく減らし遂にはオムダーマン軍のイエニチェリに対抗できなくなってしまった。
「よし、今度は艦艇を狙え!」
指示が下る。イエニチェリ部隊は敵のビーム砲座に対し散開しそれぞれ攻撃を仕掛ける。そして艦艇にダメージを与えていく。
「クッ、各砲座、何をやっている!」
だが彼等とて必死だ。懸命に狙いを定める。しかし命中しないのだ。
「そうそう当たってたまるかよ!」
イエニチェリの運動性能は極めて高かった。ビームを何なくかわし攻撃を仕掛ける。そしてミドハド軍の艦艇は次第にその戦闘力を減らしていった。
戦局はオムダーマン軍に有利に進んでいた。ミドハド軍はやがて組織だった戦闘が不可能になっていった。
「クッ、ここでもアッディーン中将に遅れをと
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