暁 〜小説投稿サイト〜
IS《インフィニット・ストラトス》〜星を見ぬ者〜
第十話『雲のように』
[1/3]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
ドイツIS配備特殊部隊“シュヴァルツェ・ハーゼ”の基地へ衛星が落下した事件。何故廃棄済みの衛星が落下したのか、基地のミサイルの発射も発射台の謎の故障により第2波が撃てない状況にあった。原因は不明で、現在解決の糸口すら見えていない状況だ。


そして、あの事件より4年。上層部は事件後のスウェンに対する評価を改め、更なる活躍を期待していた。そして部隊の隊員達も、スウェンのことを認め一人の隊員として尊敬の眼差しで見ている。その一方、部隊で変化した事がある。


ラウラだ。


この4年でラウラはスウェンの訓練により良い成績を出せるようになり、他の隊員達もどんなに辛くても頑張るラウラの姿を見て、誰も彼女の事を“出来損ない”等と呼ぶことは無くなり“努力家”と呼ばれるようになり隊員達と良好な関係を築く事が出来た。





「うむ、良い天気だ」


シュハイクは隊長室にて、窓の外を眺めていた。今日は雲一つ無い青空が広がっていて快晴だ。シュハイクの隣に居るクラリッサも頷き


「はい、前まで雨続きでしたから。ジメジメしているよりは何倍もいいですね」

「全くだ。しかし、スウェンが部隊に来てから4年か……早いものだ」

「この黒ウサギ隊の結束力も固まり、ラウラ少尉の問題も見事解決できましたし……全てはスウェン少尉のお陰ですね。いや、今はスウェン“中尉”でしたか」

「ふふっ、そうだな」


そう、スウェンは先日上層部からの令を受け、中尉へと昇格した。本人は差ほど喜んだそぶりも鼻にかける様な事も見せず、今までどおり過ごしていた。その時シュハイクから「相変わらずだな」と言われていた様だ。


「けど……本当に良いのですか?シュハイク隊長」

「……ああ、上に立つ者は彼のような人間が相応しい。それに――」

「失礼します」

「来たか」


ノックの音の後に、スウェンが隊長室に入室する。シュハイクの前に立ち敬礼する。


「よく来てくれた。待っていたよ」

「お呼びしたのは隊長では?」

「ふふふ……まあ、そうなのだが。今日来てもらったのは他でもない……」


シュハイクは一息置き


「お前にこの部隊“シュバルツェ・ハーゼ”の隊長に任命するためだ」

「!?」


スウェンの僅かに表情が変わる。スウェンが言葉を放とうとする前にシュハイクが遮る。


「上層部も承認済みだ「スウェン・カル・バヤンならば、隊長という位置に居ればより良い部隊の向上に繋がるだろう」だと」

「そんな事……」

「勿論、クラリッサも同意済みだ」

「そうなのですか?クラリッサ副隊長」


クラリッサの方を向き、そう言うと肯定を示すように頷く。


「私も上層
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ