第九十話 修羅王の拳
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またその話か」
今度は少し笑みになった。
「その話は。もう何度もしていると思うが」
「それでもな。聞きたくなった」
これがアムロが問うた理由である。
「御前が今はどう考えているのかな」
「私は何かを起こすには歳を取り過ぎたようだ」
「そこまで歳は取っていないんじゃないのか?」
「若い人材が多くなったということだよ」
アムロの問いを受けてこう言葉を代えた。
「私が何かをするにはな」
「成程、そういうことか」
「人類は既に私の予想を越えた」
クワトロはこうも言う。
「宇宙に出て。さらに」
「さらに?」
「多くの世界を知り学んでいる」
これはその通りだった。確かに世界は大きくなっていた。
「もうな。私が何かをする時代ではない」
「だからこそ戦うんだな?」
「そうだ。ニュータイプとしてではなく人間としてだ」
最早ニュータイプにも大きなこだわりを持ってはいなかった。
「戦場に立つ。それだけだ」
「そういうわけだな」
「君はどうなのだ?」
今度はクワトロがアムロに問うた。二人はそれぞれファンネルを放ち目の前の修羅達をまとめて倒していく。彼等二人だけで修羅はかなり倒していた。
「アムロ君。君は」
「俺は変わらない」
これがアムロの返事だった。
「俺はな。今迄通り戦うだけだ」
「そうか」
「俺は人間はこうなると思っていた」
ここにアムロとクワトロの違いがあった。
「人間は馬鹿じゃない。地球という殻を軽々と越えると思っていた」
「しかしここまでとは思っていたかな?」
「いや」
今のクワトロの問いには首を横に振った。
「ここまではな。流石にな」
「そうか。やはりな」
「人間はニュータイプもコーディネイターもサイボーグも越えた」
「そうした垣根はな。最早何の意味もない」
「そして他の星人であっても」
「人間として認めるようになっている」
「そういうことだ。俺もここまで至るとは思っていなかった」
そうさせているのは他ならぬロンド=ベルである。彼等はその中に多くの異質なものを包み込み彼等を認めて戦っているからだ。
「人間はな」
「人間とは?」
「心が人間なら人間だと思う」
「心か」
「そうだ。人間だ」
また言うアムロだった。
「人間を決めるのは心だ。心さえ人間ならそれは人間なんだ」
「だからこそここにいる者は全員人間だ」
「そういうことだ。では行くぞシャア」
「人間としてな。アムロ君」
「ああ。行けっ!」
アムロがまた攻撃に移った。
「フィン=ファンネル!」
「ファンネルオールレンジ攻撃!」
クワトロもまた攻撃に入る。やはり二人の存在はかなり大きかった。修羅達を次々と倒しそれに続いて皆敵を次々と倒していた。
「今どの位かしら」
「今で一万機撃墜ってところです」
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