第八十九話 ミザルの最期
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「相手をしてやる。来い」
「ミザル」
フォルカはまずミザルの名を呼んだ。
「貴様とこうして闘う時が来るとは思わなかった」
「ほう。何故だ?」
「俺はまだほんのひょっ子だった」
こう言うのだった。
「貴様の前に立つにはな」
「では今はどうなのだ?」
「できる」
これがフォルカの返事だった。
「今ならばな。闘える」
「では。それではだ」
「行くぞ」
ミザルの前で身構えてきた。
「この俺の拳。受けてみよ」
「面白い。修羅王様に挑まんとするならば」
ミザルもまた構えを取ってきたのだった。
「このわしを!倒すがいい!」
「同じ志を持つ者としてか」
「ほう、気付いていたか」
「気が教えている」
こうミザルに言葉を返した。
「御前の気がな。御前は自分が修羅王になろうとしているな」
「ふっ、隠せぬようだな」
ここに至ってミザルも開き直ってきた。
「その通りだ。わしは修羅王になる」
「何っ!?」
メイシスはその言葉を聞き目を鋭くさせた。彼女も戦場にいるのだ。
「何だと、まさか」
「気付かなかったのか?」
その彼女に対して言ってきたのはアルティスだった。
「俺は気付いていた」
「まことですか」
「野心家だ」
こう言うのである。
「野心家ならば。それも当然だ」
「修羅王の座を」
「修羅王にとって必要なものは何か」
メイシスに対して問うてきた。
「何だ。修羅ならわかるだろう」
「はい」
メイシスもまた修羅である。これがわからない筈がなかった。
「それでしたら。無論」
「そうだ。修羅王とは修羅を統べる者」
まさにその通りである。
「そしてそれに至るには」
「力ですか」
「そうだ」
これこそが答えだった。
「修羅王は先の修羅王を倒しなる者だ。だからこそ」
「修羅を。では」
「そうだ。だからこそミザルもまた修羅王になるつもりなのだ」
野心故に。そういうことであった。
「その拳でな」
「そうだったのですか」
「その為にもだ」
また言う。
「あの男は闘う。今な」
「フォルカ=アルバークと」
「はじまる」
その闘いがであった。
「両者の闘いがな。いよいよな」
「!?このオーラ」
エレが声をあげた。
「修羅の。気!?」
「はい、まさにそうです」
それにエイブが答えた。彼も感じていたのだ。
「この気配は」
「ハイパー化に似ています」
それははっきりと感じていた。
「ですが」
「そうです。それをコントロールしています」
こう言うのだった。
「この気は。まさに」
「コントロールされたハイパー化」
これはバイストン=ウェルにおいてはまず有り得ないものである。だが修羅達では違うのだった。
「まさにそれです」
「あれだけの力をコントロールできるという
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