第八十四話 修羅の掟
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かった」
アリオンはここで笑顔で頷いた。
「これで決まりだ。俺は一旦修羅を抜ける」
「何っ!?」
今のアリオンの言葉に驚きの声をあげたのはミザルだけではなかった。
「アリオン殿、何を考えておられるのですか」
「何って。言ったままさ」
「本気か?」
「風が呼んでるからな。俺は本気さ」
「馬鹿な、何故」
「この連中に興味が出て来た」
これまでは軽い笑みだったが今は真剣な顔になっている。
「だからさ。俺はロンド=ベルにつくぜ」
「くっ、またしても裏切りか」
「裏切り?違うな」
アリオンはそれは否定する。
「俺は風に従ってるだけさ。それだけなんだよ」
「風にと言われるか」
「そうさ。ロンド=ベルに何があるか」
彼は語る。
「それを見届けてやるのさ」
「アリオン、貴様!」
今度はフェルナンドが怒りの声をあげる。
「どういうつもりだ、貴様もまた!」
「フェルナンドか」
「貴様もまた死にたいというのか」
すぐにアリオンの側まで来た。そうして構えに入る。
「それならば容赦はせんぞ」
「おっと、相手になるっていうのかよ」
「そうだ」
拳を握り締めアリオンと対峙する。
「行くぞ。いいな」
「ああ。来い」
殺意をみなぎらせるフェルナンドに対してアリオンは余裕に満ちたものだった。
「ここで貴様を・・・・・・倒す!」
「待て」
だがここでフォルカが出て来た。
「アリオン」
「フォルカか。何だ?」
「この男の相手は俺がする」
そしてこう言うのだった。
「ここで出会ったことこそ運命だ。それならばな」
「そうか。じゃあ俺は他の奴の相手をさせてもらうか」
「済まん」
「謝る必要はないさ」
それはよしとするのだった。
「御前さんと因縁ある相手だしな」
「そうか。それならばだ」
「フェルナンド」
フォルカはフェルナンドに対して顔を向けた。
「それでいいな」
「無論だ」
フェルナンドはフォルカと対峙するとアリオンに対してものよりさらに激しいさっきを見せた。
「あの時の屈辱、忘れたことはない」
「そうか」
「何故情をかけた」
怒りに満ちた目でフォルカに問う。
「俺に情を。どういうつもりだ」
「殺したくはなかった」
フォルカは彼にこう返した。
「だからだ。御前を」
「ふざけるな!」
その言葉を聞いてさらに怒りを高めるフェルナンドだった。
「互いに殺し殺され合う!修羅の生き様を知っている筈だ!」
「無論だ」
「それならば何故だ!」
フェルナンドの怒りがさらに高まる。
「俺に情をかけた!恥を抱いて死ねというのか!」
「違う」
だがフォルカはそれを否定する。
「さっきも言った筈だ。殺したくはなかった」
「まだ言うのか」
「そうだ」
静かにフェルナンドに答える。
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