第八十二話 デュミナスの答え
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」
「そんなの嫌よ!」
ティスがまず叫ぶ。
「あたし達デュミナスの為にいるのに。どうして」
「そうです」
ラリアーも言う。
「僕達は。だから生きているのね」
「どうして私達だけが」
最後に言うのはデスピニスだった。
「生き残るなんて」
「御前達には未来がある」
あちこちから火を吹きながらデュミナスは言う。光も漏れだしている。
「だからだ」
「だからってそれでも」
「どうして、こんな」
「私達を見捨てるの?」
「見捨てるのではない」
それは否定するのだった。
「ただ。生きて欲しい」
「生きて?」
「これから?」
「そうだ。生きて。未来を切り開いて欲しいのだ」
ラージ達に言われたことをそのまま三人に言うのだった。
「私とは違って。だから」
「デュミナス・・・・・・」
「だからなのか」
「私達に・・・・・・」
「さあ、行くのだ」
これまでにない優しいデュミナスの言葉だった。
「三人共、今まで有り難う。そして」
最後に言う。
「さようなら」
「待って、待ってよ!」
「デュミナス、そんな・・・・・・」
「死なないで!」
だがもう手遅れだった。デュミナスは事切れていた。そのまま爆発と光に巻き込まれていく。ロンド=ベルはもう一斉に退避に移っていた。
「おいラウル、フィオナ!」
「あんた達もよ!」
ディアッカとアスカが二人にも声をかける。
「早くこっちに来い!」
「死ぬつもりなの!」
「大丈夫だって言ってるだろ!」
「そうよ!」
しかし二人はまだ退避しようとしない。
「まだだ!この連中を!」
「連れて行かないと」
「この連中だと!?」
イザークがその言葉に顔を顰めさせる。
「まさかと思うが」
「そうだよ、このガキ共だよ」
「絶対に連れて行くわよ」
「馬鹿を言え」
それに対して言ったのはオリファーだった。
「その連中は敵だぞ。敵をどうして」
「助けるんだっていうんだよな」
「そうよね、オリファーさん」
「ああ、そうだ」
オリファーは二人の言いたいことはわかっていた。
「そうだが」
「だからですよ。俺達は」
「この二人を」
「仕方ない奴等だ」
オリファーはここで苦笑いになるしかなかった。
「全くな。どういうつもりだ」
「とか何とか言ってもいいのね」
マーベットが彼の横から笑ってきた。
「オリファーも」
「ふん、言っても聞かない奴等だからな」
「そうなのね」
「全く。困った奴等だ」
「ぎりぎりまで待つわよ」
ジュンコも待つことにしたのだった。
「ここはね」
「そうですね。ラウルさん、フィオナさん」
ウッソは二人に声をかけた。
「待ちますよ、ですから」
「だからよ。いいなフィオナ!」
「ええ!」
二人で三人を纏めて囲い込んだ。
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