第八十二話 デュミナスの答え
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スも気の毒です」
ここでラージは言った。
「思えば」
「えっ!?」
「僕達人間はまず存在自体が認められ」
こうフィオナに話す。
「その後で存在理由を問われる。けれどデュミナスは違いました」
「違ったのね」
「そうです」
またフィオナに話す。
「まず存在理由があってそれから存在が許される」
「存在理由があってから」
「芸術家が自分の気に入らない作品を壊すのと同じです」
今度はこう述べる。
「デュミナスは創造主に気に入られなかったから壊されそうになったのです」
「そしてデュミナスはそれに歯向かった」
フィオナにもこのことはわかった。
「そうだったのね」
「デュミナスは創造主の呪縛から逃れることができなかったのです」
「トラウマってやつだな」
「ええ」
今度はラウルに答えるラージだった。
「創造主から存在を否定されたことがデュミナスの自己を縛り、狂わせたのです」
「私は何故作られた」
まだこのことを言っていた。
「創造主は私に何を求めたのだ」
「デュミナス、貴方は創造主にこだわるべきではなかった」
ここでもラージの言葉は悲しみに満ちていた。
「貴方程の力があれば幾らでも自分の道を切り開くことができた」
「それが私に対する答えなのか」
「答えなんてないわ」
今度言ったのはフィオナだった。
「あんたは答えを他人に求めるべきではなかったのよ」
「ならばどうして答えを見つければよかったのだ」
「自分が求める答えを他人が答えてくれることでしか得られないから」
ラージの言葉はさらに悲しみに満ちた。
「だから創造主は貴方を否定したのですよ」
「そうだったのか・・・・・・」
「答えは見つけるものじゃないんだよ」
ラウルの言葉もラージと同じ悲しみに包まれていた。
「作るものなんだよ、未来と同じでな」
「未来・・・・・・」
デュミナスは今度はこの言葉について思った。
「それはどうすれば作れる。誰か教えてくれ」
「誰も御前にそれを教えることはできないさ」
ラウルがまた彼に告げた。
「御前が自分で作り出さないといけなかったんだ」
「そうだったのか・・・・・・」
「エネルギーさらに増大しました」
また言うミズホだった。
「このままでは」
「このエネルギーを」
だがここでデュミナスは言うのだった。
「御前達に。戻そう」
「!?デュミナス」
「一体何を」
「今まで私の為によく働いてくれた」
あの三人にいとおしむ声をかけていた。
「そしてこれからは。未来は」
また未来という言葉を口にした。
「御前達が。生きるのだ」
「!?デュミナス」
「まさか。僕達に命を」
「どうして。そんな」
「私は間も無く死ぬ」
彼は最後にまた言うデュミナスだった。
「だが御前達は。これからは
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