第八十一話 脱出へ
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してないわよ」
「何も?」
「殺しはしないわよ」
それは保障するのだった。
「殺しはね」
そしてまたラージを痛めつける。今度は左手を潰したのだった。
「後は右手だけよ。どうするの?」
「ぐぐぐ・・・・・・」
「殺したりはしないけれどね。デュミナスの怨みは晴らさせてやるわよ」
「ラージさん!」
しかしここでミズホがラージに声をかけてきた。
「ミズホさん、一体」
「こんなこともあろうかと呼んでおきました!」
「何っ!」
「まさか!」
部屋の扉を破って出て来たのはマシンだった。
「これは実験用のフレーム!?」
「こんな短期間で通常動力を組み込んだなんて」
「早く乗って下さい!」
先にミズホが乗り込んでラージに声をかける。
「早く!」
「逃がさないわよ!」
ミズホは何とかラージを引き込み脱出しようとする。その二人をティスが追おうとするがここで神殿の中に警報音が鳴るのだった。
「!?今度は一体」
「何なの?」
「ロンド=ベルだ」
ラリアーがここで言った。
「遂に彼等が来たんだ」
「ふんっ、こんな時に」
ティスはそれを聞いて忌々しげに声を挙げた。
「何てタイミングなのよ」
「いや、いい」
しかしここでデュミナスがそのティスを制止する。
「あの二人の用は済んだ。放っておくのだ」
「それでいいのですね?」
「それよりも今は」
今度はデスピニスに応える。
「ロンド=ベルを」
「わかりました」
「ティス」
ラージがここでティスに声をかける。
「僕達も行こう」
「わかってるわよ」
憮然としながらも彼に応える。
「さっさとロンド=ベルやっつけちゃってね」
「そういうことだよ」
「行こう」
デスピニスも誘う。当然それについて行くが行く間際に呟くのだった。
「命拾いしたわね、あの二人」
「元々殺すつもりはなかったんじゃなかったのかい?」
「まあね」
それは否定しないのだった。
「それはね」
「ティスらしいよ」
「らしいかしら」
「うん、まあね」
微かに笑ってティスに述べるラリアーだった。
「じゃあ行くよ」
「ええ」
こうして三人は出撃する。その頃ラージとミズホはフレームで脱出していた。廊下を進みながらミズホは助手席にいるラージに対して言ってきた。
「ラージさん、大丈夫ですか?」
「意識はあります」
生きているのだった。とりあえずは無事だった。
「全く。あんなこと無茶過ぎます」
「ですがあれしかなかったんですよ」
「あれしかなかったって」
「はい、エンジンとデュミナス両方を一緒に滅ぼすのはあれしか思い付きませんでしたから」
「それでも」
ミズホはラージに対して言う。
「成功したらラージさんも死んじゃうんですよ」
「だからこそですよ」
「だからこそ?
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