第七十九話 時流エンジン
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「あんた達、どうしてここに」
「何故修羅界に来ることができたんだ!?」
ラリアーも何時になく驚いていた。
「君達が」
「そろそろ決着を着ける時だと思い出して」
シュウが彼等に応える。
「シュウ=シラカワ」
デスピニスが彼の姿を認めてその名を呼んだ。
「まさか貴方が」
「その通りです。ラージさんとミズホさんを救出する為にです」
「言っておくけれどね、デュミナス様の為にはね」
ティスはそのシュウに対して少しムキになって声をかけてきた。
「あたし達だってね。やらなきゃいけないのよ」
「ティス、デスピニス」
ラリアーが他の二人に声をかける。
「まずは迎撃だ。いいね」
「うん。けれど」
デスピニスはここでいつもの戸惑った顔を見せていた。
「私達だけで」
「それですね」
シュウはここでデスピニスの言葉を捉えて言ってきた。
「貴方達はそういったように造られているのです」
「!?造られている!?」
「どういうことだ、それは」
ラーダとカイが今のシュウの言葉に顔を向けてきた。
「あの子達が人造人間であることはわかっていますけれど」
「それでも造られているだと」
「人格ですよ」
シュウはここで言った。
「彼等の人格が造られているのです」
「人格が!?」
「どういう意味だそりゃ」
「つまりです」
いぶかしむ一同に対してシュウはさらに言う。
「彼等の人格は子供のものですね」
「外見もだな」
「外見も含めてなのですよ」
マサキに対して答えた。
「外見もね。子供が相手ならば何か怯みますね」
「ああ」
マサキはシュウの言葉に対して頷いた。
「確かにな。やりにくいぜ」
「それだけではない」
レーツェルも言う。
「子供は純粋なもの、無邪気なものだと思ってしまう」
「手をかけるのは俺の流儀ではない」
ゼンガーなら余計にそうだった。
「それはな」
「そが答えです。つまり彼等はそれを考慮して子供として造られたのです」
「何か汚ねえな、そりゃよ」
「おそらくデュミナスはそこまで考えていたわけではないでしょう」
「考えてねえのか」
「そこまで悪意はありませんでした」
それは言うシュウだった。
「デュミナスには。悪意はないのです」
「あるのはやっぱりあれだけかニャ?」
「自分を知りたいっていうあれだよニャ」
「そう、その通りです」
これははっきりと述べるシュウだった。クロとシロに対しても。
「意識せずに行ったのです。確信犯ではないのです」
「ううむ」
「だが。それにしても」
「誰にでもあります」
シュウは今誰にでも、と言った。
「それはね。気付かない悪意というものは」
「気付かない悪意か」
「言われてみれば何か」
「ですから」
シュウはさらに言う。
「デュミナスにもそ
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