最強と最速
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「おまえと戦いたかっただけだ」
へえ……
「もう一度だけでいい。おまえと死力を最後まで絞り尽くすような戦いをしたかった。おまえの名が討伐対象だったのを見た瞬間二つ返事で受けてしまったよ」
自嘲気味に笑うユージーン
「おまえの立場も置かれている状況も知っている。だが……」
ユージーンは背中にあった大剣を抜く
「俺はおまえと戦いたい。そして必ず、俺とこのグラムが打ち砕く!」
そこまで言われたら断れないよな?俺は口角が上がるのを押さえられなかった
「わかった……。相手になる。キリト!剣を貸せ!」
「まったく……」
ため息をついてこちらに自分の剣を投げてくる。俺はそれをキャッチするといつものように構える。対してユージーンは大剣を上段に
「行くぞ、リン!」
「来い、ユージーン!」
ユージーンは一度大きく足を曲げ、それを伸ばすことによって発生した推進力を使い、一気にトップスピードにもっていきそれを維持しつつ大剣を振りかぶる
対する俺は前に突き出していた剣を少し引き迎撃体勢に
そして、俺とユージーンの距離は0になった。まずユージーンの上からの振り下ろし。それを肩に担いでいた剣で軌道をずらすことで対処する。この技術は力の足りない俺はよく使う。言うのは簡単だが、実行するのはすごく難しい。相手の剣のスピード、軌道を完全に読みきり、その上でその剣に同速であわせながら少しずつ力をかけてずらすのである。この技術は科学と魔術が交錯する世界の警備員が使っている自分よりも質量を持った車両を止めるための技術の応用なのだが……
閑話休題
「シッ……!」
反撃の右手の剣での突き攻撃。体勢の崩れているユージーンにかわすことは不可能
だがそれはかわされる。反らした剣の勢いそのままにユージーンが転がったからだ
「やっぱり決まらない……か」
「俺は嬉しいぞ。相変わらずおまえは高い壁となって俺の前に立ちはだかってくれている!」
体勢を立て直したユージーンを見据え俺は今ので決められなかったことに驚いていた
「行くぞ、リン!今からが本番だ!」
再び同じように剣を振りかぶって向かってくるユージーン
「何度やっても同じだ!」
向かってくる剣を同じように反らそうとした。だが、頬に微かな風と背中に走る悪寒を感じた瞬間、ユージーンの剣のスピードがいきなり上がった
「がはっ!!」
悪寒を感じたとに少しでも下がっていたことが幸いし、一撃死は免れた。だがHPは半分を下回りイエローになっている
「くっ……」
「おまえの力をそんなものではないだろう?」
俺の方を見据えユージーンが言う
俺はそれには答えず、二刀を振るう。だが、ユージーンは
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