第百十二話 東西から見た信長その二
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「織田家が何時攻めてくるか諜を仕掛けてくるかはわからsぬ」
「戦をするまでは」
「そうだと仰いますか」
「うむ、まずは国境を固め水軍の用意もしておく」
毛利家は水軍がかなり強い、山陽にいれば前に瀬戸内の海がある、そこで戦をしたり交易をするならばなのだ。
水軍がどうしても必要だ、隆元もそれを承知で言うのだ。
「そしてじゃ」
「そのうえで」
「うむ、何時織田家が来てもよいようにし」
そしてだというのだ。
「手を結ぼうとしてくれば」
「その時はでございますか」
「当家としましても」
「うむ、手を結ぶ」
喜んでそうするというのだ。
「是非共な」
「そうじゃな。それがよいわ」
ここで元就も貌を綻ばさせて述べた。
「やはりな」
「はい、織田家は政にかかっています」
「その二十国、十九万の兵達をな」
元就もその織田家について話す。
「七百六十万石を治めにかかっておる」
「となりますと」
「かなりの時がかかりますな」
元春と隆景はそれぞれこう父に応えた。
「数年は動けぬ」
「ではそれがし達は様子見でございますか」
「数年の間は織田と同じく政にかかり」
「その間は様子を見る」
「そうするべきですか」
「今は果敢ではない」
「慎重じゃ」
隆元はこう二人の弟達に答えた。
「今はのう」
「ではじゃな」
元就は元春と隆景は大人しくなったのを見てすぐに二人と隆元に告げた。
「国境を備え」
「はい、そして」
「そのうえで」
「兵の鍛錬もしよう。また当然水軍もじゃ」
「織田家と戦をする場合にも備え」
「そうしますか」
「ではよいな」
元就は息子達に告げた。
「我等は今はじゃ」
「はい、政もです」
また言う隆元だった。
「それに励みましょう」
「港じゃな」
元就はここでこれも話に出した、
「そして交易じゃが」
「南蛮の者達でありましょうか」
「あの者達でございますか」
「そうじゃ」
元就は確かな顔で頷く。
これまでは明との交易だけだった。だがそれがザビエル達の来訪以降それが大きく変わってきているのだ。
「あの者達じゃ」
まさに彼等だというのだ。
「あの者達とも交易をしようぞ」
「そうすれば」
隆景はその顔を少し上気させて言った。
「鉄砲が多く手に入りまな」
「無論鉄砲だけではありませぬが」
それに留まらないというのだ。
「舶来のよき品物も手に入りますし」
「それも大きいのう」
「はい」
隆景はこうも述べる。
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