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八条学園怪異譚
第十八話 トイレの花子さんその一
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                第十八話  トイレの花子さん
 愛実と聖花はこの日は聖花の家にいた。そしてリビングの席に向かい合って座りながら聖花が焼いたパンケーキを食べていた。
 そのケーキにシロップをたっぷりとかけてから聖花は愛実に言う。
「あの、今度行く場所だけれど」
「泉がありそうな場所よね」
「というか妖怪さん達のいる場所よね」
「そう、今度はド鬼行こうかしら」
「そのことだけれど」
 愛実も自分のパンケーキにシロップをたっぷりとかける、クリーム色のパンケーキがそれによって赤い色になる。
 そのケーキをフォークとナイフで切りながら愛実はこう聖花に言った。
「ほら、狐さんと狸さん達が言ってたじゃない」
「あっ、あそこね」
「そう、トイレに行く?」
 こう提案するのだった。
「学校の何処かの」
「花子さんね。学校の怪談の定番よね」
「本当に何処の学校にもあるお話よね」
 その花子さんにだというのだ。
「会いに行こうね。ただね」
「ただって?」
「花子さんって噂だと制服着てないわよね」
 愛実は伝え聞く花子さんの服装のことを今話した。
「何か赤いサスペンダーのスカートと白いブラウスだけれど」
「確かに制服じゃないわね」
「昔の女の子の格好だけれど」
「何ていうかね、戦前の格好よね」
 愛実は言う。
「花子さんの格好って」
「そうそう、花子さんって噂じゃ母親に殺された女の子だったっていうけれど」
「その幽霊?」
「そう、その娘がね」
「花子さんなのね」
「そうみたいよ」
 聖花は花子さんについてこう聞いていた、そのことを愛実に話したのえある。
「噂だけれどね」
「ううん、何か陰惨なお話っぽいね」
「そうよね。実際の花子さんはどうかわからないけれど」
「私そういうお話苦手なのよ」
 愛実はここで暗い顔になって聖花にこう話した。
「聖花ちゃんもそれ知ってるわよね」
「お化けとか幽霊は平気でもね」
「そう、そういう親が子供を殺すとかね」
「そういうお話大嫌いよね」
「正直有り得ないわよ」
 聞く話ではある、だが絶対にあってはならない話だというのだ。愛実はそれ故に聖花に今こう言うのだった。
「親だったら子供を愛するものじゃない」
「子供も親をね」
「そんな、殺すとかって」
「虐待もよね」
「そんなの絶対にあったら駄目だから」
 愛実は虐待も嫌いだった、そうしたことは絶対に受け入れられない娘なのだ。だから今もこう言うのだった。
「何があってもね」
「そうね。最近よく報道されてるけれど」
「あんな酷い親がいるって思うだけで」
 愛実は自然にその顔を曇らせていた、ホットケーキを食べる動きも鈍くなっている。
「嫌な気持ちになるから」
「親に虐待されてるって本当に
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