第二幕その一
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いた。夫人はその彼の後ろに立っているのだった。正面を見て言う夫を右に見ていた。
「そうすればいいのだ」
「ではすぐにでも手筈を」
「わかった」
その言葉に頷くとすぐに手を打つことにした。
「刺客を送る。それでいいな」
「はい。御覧下さい」
ここで夫人は玉座を指し示した。マクベスもそれを見た。
「美しいと思いませんか」
「確かに」
今度は素直に妻の言葉に頷いた。
「これ程美しいとはな」
「その美しいものを手に入れるのに手段を選んではなりません」
夫人はじっと玉座を見ていた。そこから目を離さない。
「宜しいですね」
「わかった。それではな」
こうして妻の言葉に頷く。だがその顔は暗く声は空ろなものであった。
バンクォーは自身の城にいた。そこで一人呟いていた。彼の部屋は質素でこれといった装飾もない。色彩にも乏しく荒涼としていた。そこで言うのだった。
「全ては予言通りだな」
マクベスが王位に就いたことを言っていた。同時に魔女の予言を。
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