カズヤの家
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彼女と出会ったその日は病院に彼女を預かってもらったが曰わく早めに引き取って欲しいとのことなので、一夜明けてセリナを受け取った。オレは、どういうわけかセリナを自宅でお世話することになってしまっているが。
「へー、ここがカズヤの家。」
自宅に女の子を連れてくるだけならまだいいが、オレたちは以後同居生活をするなんていろいろ飛ばしすぎだと思う。
因みにオレの家は築八年庭付き木造二階建てだ。以前にドラゴン退治のクエストの報奨金で買った。部屋も余っていたからまあ良かったけど。
「ただいま。」
「お邪魔します。」
「おかえりー、ですニャ。マスター。」
「キャー、何このネコ!?かわいい!」
「ニャ、ニャんですニャ。」
玄関を開けるといきなり二足歩行のネコが現れた。しかしこのネコはオレのだ。
そしてセリナよ。あんまり強くそいつを抱きしめるな。
「セリナ、こいつはレオ。オレのケットシーだ。」
「ケットシー?」
「く、苦しいニャ………。」
「この世界の住人の一つだ。それとあんまり強く抱きしめるな。死ぬぞ?」
「え?」
今頃セリナは初めて自分のやっていることに気がついたようだ。
「キャー!?レオ、大丈夫?」
「だ、大丈夫ですニャ。」
「さて、茶番はこれくらいにして、部屋に案内する。」
玄関を上がりまず二階のセリナの部屋に案内する。
「ここがお前の部屋だ。」
中にはベッド・クローゼット・机と椅子が一つずつある。昨日の晩に必死になって手にいれたモノたちだ。いわばカネにモノをいわせたワザだ。
「やっぱりここも。」
「何か?」
「家に入った時からずっと思っていたんだけど、ちょっとクサい。」
「く、クサい………?」
たしかに新品特有の臭いがするがクサいって程でもない。
「はぁ、もういい。」
「……?」
なにがもういいなのか。オレにはわからない。
「お風呂とかはあるの?」
「風呂と呼べる物はない。井戸から水を汲んで浴びるだけだ。」
「冬とかはどうするのよ。」
「大丈夫。この国は冬でも19℃くらいあるから。因みに今は春だ。」
今日は元の世界でいうところの4月に当たり過ごしやすい日和だ。
「ときにセリナ、これからどうする。冒険者するなら手伝うが。」
「冒険者以外は?」
「セリナの能力を生かせる職業はないと思う。」
「やっぱり冒険者しかない?」
「かな。」
「はあ、じゃ冒険者にする。」
「よし、そうと決まれば武器選びだ。」
階段を下り一階の武器庫に向かう。
武器庫の鍵を開けるとカビくさい空気が流れてきた。
「うへ、クセー。」
オレは武器庫にある窓という窓を全て開けた。
すると暗かった武器庫に光が入り
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