第一部第六章 疾風怒涛その一
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だ」
彼はニアメに対し自信に満ちた声で言った。
「そして敵がこの星系に入ったところで補給基地を叩くのだ」
その基地は第八惑星の衛星の中にある。今はバルガ星系から見て右手に位置している。
「敵が補給基地の辺りを通過したところで別働隊はその基地を攻撃する。そうすれば敵は選択の余地がなくなる」
「しかしそれならば別働隊を叩きに反転してきませんか?」
アタチュルクが問うた。
「するだろうな」
アッディーンは答えた。
「その時は別働隊はすぐに撤退してくれ。無理をする必要はない。それにそれが狙いなのだからな」
「狙い、ですか」
一同はその言葉に目を光らせた。
「そうだ。おそらく兵を分散させてくる。主力部隊はその分散された敵をまず叩く」
「それから基地の方にやってきた部隊を攻撃するのですね」
「そういうことだ。各個撃破していく」
彼は皆に対し答えた。
「そしてすぐに友軍の援護に向かう。そして今回の戦いでミドハドを滅ぼすぞ!」
「ハッ!」
一同はその言葉に対し敬礼した。そして各自それぞれの持ち場に戻っていった。
数日後アッディーンの艦隊はサルチェス星系に入った。そして予定通り主力部隊を第五惑星のリングの外側に布陣させた。やがてミドハド艦隊がサルチェスにやって来たとの報告が偵察隊から入ってきた。
「来たな」
アッディーンはそれを聞いて微笑んだ。
「アタチュルク少将とコリームア少将は今どうしている」
別働隊はこの二人が率いることとなっていた。彼等の用兵の迅速さを買ってである。
「今第六惑星の辺りです」
ガルシャースプが答えた。
「そうか、予定通りだな」
アッディーンはそれを聞いて言った。
「それならば問題はない。あとはあの二人に任せよう」
「了解しました」
ガルシャースプはその言葉に敬礼した。
「我々は作戦の準備だ。分かれた敵を一気に叩くぞ」
そして彼は全軍に戦闘用意を命じた。
ミドハド軍はアッディーンの予想通り第五惑星付近にオムダーマン軍がいると知ると全軍をもってそちらに向かってきた。二個艦隊で数はやはりアッディーンの軍より多い。
「よし、このまま叩き潰すぞ」
その二個の艦隊のうち一個の艦隊の司令が言った。
「敵は劣勢だ。すぐにけりをつけて主力部隊に合流する」
彼は艦橋で部下達に対して言った。
「そしてオムダーマンの奴等をこのミドハドから追い出す。返り討ちにするのだ」
艦隊はそのまま第八惑星付近を通過した。それはオムダーマンの別働隊からも確認された。
「敵軍通過しました」
アタチュルクはそれを乗艦の艦橋において聞いていた。
「そうか」
彼はそれに対し頷くと航宙長に対し言った。
「予定通り進め」
「わかりました」
航宙長は頷いた。そして艦隊は進
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