暁 〜小説投稿サイト〜
SAO−−鼠と鴉と撫子と
24,開演のベルはなる
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げた。
アルゴは、読み上げようとしたことがまさに俺の頼んでいた命の恩人のものだったから。
俺はといえば、まさにそのプレイヤーがチリンチリン、とレストランの中に入ってきたからだった。





「おまえに『聞きたいことがある』」

俺の発言するのと、短いインスタンスメッセージが飛んできたのはほぼ同時だ。
まるで、ピアニストがメロディーを奏でるような優雅で洗礼されたキータイプ。そこから神速の速度で視覚化された言葉が次々と俺のメッセージ欄に飛び込んでくる。

『わけあって、私は人前では喋ることが出来ない。そちらは口頭で答えてくれて構わない』
『なにか聞きたいことがあるなら、そちらが先で構わない』

喋っているのと全く同じテンポでメッセージが雪崩れ込んできた。
「ぇぇっと、とりあえず、名前教えてもらっていいか?」

『フィデリオだ』

これまた恐ろしく速く、答えが帰ってきた。会話になっているかはさておき、何ともまあ不思議な感じだ。
どうしてか居心地が悪くなって回りを見回すと、アルゴもこの情報を手に入れられていなかったようで困惑しているようだ。
可視メッセージの見えない位置から眺めていたら、俺は一人で喋ってばかりの危ないやつに見えているだろう。

「フィデリオ、解放隊に助太刀したのはお前だな?」
『ああ、間違いない』
「その時の事を覚えている限りで教えてくれ。ちょっとした違和感・疑問・なんでもいい」

ふむ、っと考えるように手が口許を覆い、思い付いたように指が空中を踊っていく。

『話していないことはない。場所は位置のログを確認しているから間違いない。悲鳴を聞いて駆けつけた時にはプレイヤーが殺されるのが見えた時だから、それより前のこともわからない』

言葉を目で追って、やはりアスナから聴いた話と同じだった。こりゃ、もう一人の方に期待するかと思ったところで、アルゴが横合いから呟いた。

「殺される、ってどーいうことダ?落とし穴で死んだんじゃないのカ?」
フルフェイスで顔こそ見えないが、今度はフィデリオの方がキョトンとする番だった。
『落とし穴ではない。あれは、Mob召喚系の罠に間違いない』

一瞬聞き間違いではないかと錯覚し、そしてその事実に愕然とした。
「嘘だヨ。この層にはMob召喚型の罠だけは存在しないって情報がNPCからゲット済なんダ」
『そんなはずはない。あったのは、確かにMob召喚型の罠に間違いない』

噛み合うことはない言葉と言葉の応酬は、昨日ものと酷似していた。
あるはずの無い場所に、あるはずの無い種類の罠があった。
それじゃあ、まるで、、、

「どこかから、持ってきたみたいじゃないか」

自分で呟いた言葉で、あたりが波を打ったように静まり返った。
電流の様
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