SAO:アインクラッド〜神話の勇者と獣の王者〜
白銀の金竜
[4/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
――セモンの剣も、粉々に砕け散った。
――――やっぱり、耐えられなかったか。
「……お疲れ様。ありがとう」
ねぎらいの言葉をかける。代用、と言っても、今回のつらい戦いを一緒に勝ち抜いてくれた剣だ。いなくなるのは、やっぱりどこか寂しかった。
「セモン!!」
コハクが飛びついてくる。
「うわぁ!?」
勢いで地面に倒れるセモン。その胸に顔を寄せて、コハクは満面の笑顔を浮かべた。
「やったね! セモン! あぁもう、最後の方なんてほんと心配したんだからぁ……」
「ご、ごめん……」
彼女の頭を撫でてやっていると、ふふふ、という軽快な笑いが聞こえてきた。
声の主は、ゲイザーだった。珍しく、声を上げて笑っている。
「……ありがとうございました、ゲイザーさん」
「いや、いいさ。またお前たちと戦えて楽しかった――――ああ、本当に久しぶりだ。こんなに、楽しかったのは……」
そう言って、ひどく懐かしそうな表情を取るゲイザー。
そう――――楽しかった。《聖剣騎士団》の皆と騒ぐのは、心の底から楽しかった。
あの頃のことを思い出したのだろう。コハクも、目を閉じて微笑んでいる。
「ゲイザーさん……」
「……悪い。感傷的にしてしまったな……それよりセモン。クエストの報酬アイテム……というか、ドロップ品が出ているはずだ。確認してみろ」
そうだった。
戦いの趣旨を忘れるところだった。
セモンはコハクを名残惜しくも引きはがすと、アイテムウィンドウを開く。
最上位に――――その名前は、在った。
「《ソード・オブ・アマノムラクモ》……《天叢雲剣》……?」
「日本神話か。《草薙の剣》といい、《神話剣》といい……本当にお前とは相性がいいな」
ふふふ、と再び笑うゲイザー。
「装備してみろ」
「はい」
装備フィギュアを操作し、空欄になっていた武器の欄に《天叢雲剣》を収める。すると直後、しゅわあ!! という軽やかなサウンドと共に、それは現れた。
抜刀してみると、デザイン的には《草薙の剣》となんら変わるところのないことが分かった。
しかし、《草薙の剣》が赤を基調としたデザインだったのに対し、こちらは青を基調としたデザインだ。
それに――――輝きが、違う。鑑定のスキルは持っていないので詳しくは分からないが、恐らく《草薙の剣》よりもプライオリティは高いはずだ。
――――これから、よろしくな。
セモンは新たな相棒に、心の中で語りかける。
それに答えるように。
きらり、と刀身が光った気がした。
セモンはそれに笑うと、納刀。もう一度ゲイザーに感謝の言葉をか
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ