第一幕その一
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上げる。だが彼はそれには同意しなかった。
「私は別にそうは」
「思われないと」
「はい」
彼は言う。
「むしろ不吉な感じです」
「左様ですか。むっ」
ここで灰色の男は魔女達に気付いた。
「あれは一体」
「マクベス」
「マクベスだ」
魔女達も彼に気付いていた。灰色の男の名を呼んでいた。
「そなた達は何者だ?」
今度は黒い男が魔女達に問うた。
「気がおかしいようだが」
「バンクォーだな」
「うむ、バンクォーだ」
魔女達は彼の問いに答えない。そのかわりに彼の名も呼ぶのであった。
「マクベスよ」
「マクベスよ」
彼女達は次にマクベスの名を口にする。
「わしか」
「おめでとう、グラーミスの領主よ」
これはその通りであった。彼は既にグラーミスの領主であったのだ。
「それを知っているのか」
「そう、知っている」
「そして」
そのうえでまた言葉を続けてきた。
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