小と大
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「我が社も大損害を受けた。どうしてくれるのか?」
今、俺は両親の前に座っている。俺とキリトが須郷の罪を暴いたためレクトが大打撃を受け、株が暴落。それによりレクトの株を大量に保持していたうちの会社まで打撃を受けたということだ
「ならば、囚われていた人たちはどうなってもいいと?」
俺は怒りを表情に出さないようにするのに必死だった。こいつが言っているのは、アスナやその他大勢のいわば戦友を見捨てろと言っているのだ
「そうとは言っていない。だが、方法を考えろと言っているんだ。お前のやった方法は、短絡的に見れば救ったかもしれない。だが、長期的に見れば会社への影響により、結果的に犠牲者が多くなっただろう」
「……」
「お前にそんなこともわからんバカではないだろう。わかったら、さっさと後を継ぐために……」
「そんなことが賢いっていうなら俺はバカでもいい。そんな後のことを考えて、目の前の助けを求めている人を見捨てるようなやつに俺はなりたくない」
「小を捨て大を救う。上に立つ以上必要なことだ」
「なら俺は上になんて立ちたくない。俺は自分の周りの大切な人たちを守ればそれでいい」
「どうやら、話し合っても無駄なようだな」
「ああ……」
「……とは言っても無理強いしてもやる気が出ないだろう。ならば一つゲームをしよう」
「……何?」
ゲームという言葉が最も似合わないはずの親父がなぜ……
「私の会社でもVRMMOを出すのでな。そのモニタリングを兼ねてということだ」
こんな時でも人を利用しようとするんだな
「ルールの説明は?」
親父は一つ鼻を鳴らすと紙を出し話し始めた
「期間は一ヶ月。世界は東洋の神話に基づいた世界だ。仲間は何人でも誘っても良い。ただし、仮に失敗した場合はお前を含む参加したメンバー全てのVRMMOに置けるアカウントを抹消する」
「なっ……」
迂闊に友人を誘って失敗した場合、そいつまで被害を受けてしまうのだ
「レベルはもちろん1からだ。そこで一つのクエストをクリアすればよい」
そう言って親父は俺の前にゲームのパッケージを置く。タイトルは"AMO"。アビリティマジックオンライン。……禁書か?
「開始は一週間後の午後一時だ。せいぜい仲間を集めることだな。その守りたい仲間とやらを」
そう言うと親父は部屋を出て行った
「燐……」
残っていた母親が心配げな声を出すが俺にはそれに応える余裕はなかった
約束までの一週間、俺は家の外に出なかった。何かの拍子にキリトらに会ってしまうと助けを求めてしまいそうで、そうでなくても感付かれてしまいそうだからだ
「準備はできたか?」
「ああ……」
結局
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