第3次ティアマト会戦(2)
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包囲し、数の有利で敵の技術を圧倒するというものだった。この戦術は元々、もし自分が負けるとしたら、いったいどういう状況か、という思考実験の末に考えついたものだった。ドッグファイトでは負けることはない。それはポプランのような撃墜王が誰もが抱く自信だった。ではいったいどんな敵であればポプランを苦しめうるか。
それが敵機三機だった。
一機は論外。
二機なら多少楽しめる。
ならば三機、という単純な発想。
それ以上ならば、逆にお互いが邪魔になって効率的に責め立てることはできないだろう。三次元の空間を重力の制限なしで自由に飛び回れると言っても、それが限度である。
つまり、敵がどれだけいようと、同士討ちを避けるならば、敵はせいぜい三機ずつしか前には出てこない。
だが彼は三機が相手でも、負ける気などまったくしなかった。
せいぜいこちらを本気にさせる程度だ。
ポプランは頬に笑みを浮かべた。
それはこれから始まる独壇場への期待の笑みだった。
そして、命を賭けた今この瞬間しか生きた心地を得られぬ、自分への嘲笑でもあったのだ。
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