導く者、羽ばたく者
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「行ける……。行くぞキリト!」
「言われ無くても!」
俺たちは後ろにシルフ、ケットシーのプレイヤーを従え小さな弾丸のように飛翔する。光の矢は風の壁に阻まれ、返す刃で放たれる巨大な火炎に何匹か纏めて燃やし尽くされる。俺とキリトはやることがあまり変わっていない。キリトが騎士の壁を壊し、その瓦礫を俺が粉々にする。まわりは、シルフやケットシーのプレイヤーが固めていてくれるため、意識を向けるのが一方向だけでよくなった
「うぉぉぉぉぉ!」
キリトの気合いとともに振られる剣によって、騎士が数匹纏めて砕け散っていく。俺は、キリトが剣を振った後の隙を埋めるように騎士を斬る。キリトみたいに一撃とはいかないが、キリトよりも速い剣閃で、斬っていく
「後、少し!!」
「使え、キリト!」
騎士の壁が一瞬途切れ天井の扉が見えた。そこで、俺はキリトに向かって自分の剣を投げた。キリトはそれを掴む。二刀流。あの世界で鍛えられた高速の剣技が最後の騎士の壁を切り裂く
「全軍反転!」
サクヤはそう叫ぶ。キリトが到着したのを見計らっての指示だった。俺は最後に持っていた残り全てのナイフをキリトのまわりの騎士に投げて急降下に入った
「おまえは真っ直ぐ目的まで突っ走れ。俺がお膳立てと後始末をしてやるから、な。……全く、損な役回りだよな」
その俺の呟きは風に消えて言った
外に出た俺たちはシルフとケットシーのプレイヤー達にお礼を言い、ログアウトした。現実世界に復帰し、外に出る身支度をしているとあわただしい足音が聞こえ、だんだんこちらに向かってくるのが聞こえた。そして、その足音は俺のいる部屋の前で止まり、中に入ってきた
「燐君……」
中に入って来たのは予想通り、キリトの妹直葉だった
「ああ、俺はSAO生還者。キリトと同じ二刀流使い。リンとは俺のことだな」
「やっぱり……」
「じゃあ、キリトの様子を見ててくれるか?」
「燐君は?」
「俺は、やることがある。キリトのやつの走る道を作るのが俺の役目だ」
「……わかった。気をつけてね」
「ああ……」
俺は外に出た。そして、俺は自分の家に向かった
俺は走りながら、俺は電話をかけている。向かっている先はアスナの眠る病院。かけている先はレクト。ALOの責任者は誰か、聞くつもりだった。もちろん一般人にはそれを聞き出すことは不可能だが、俺には、正確には鈴木家の次代当主ならば、と思ったのだ。極めて不本意だが、使えるものは使う。レクトの有数の出資社である鈴木財閥の力を
「須郷……伸之……か」
そいつがおそらくアスナを監禁している犯人。何故ならALOで起こっていることをGMが知らないわけないのだから
「で、須郷さんは今
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