第十話
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、霊夢の修行を手伝ってやってるんだからいいじゃないさ」
魅魔がニヤニヤしながら霊夢に言ってきた。
「私は縁側で誠兄とお茶が飲みたいのよ」
「駄目だよ。一応は紫にも頼まれているんだ」
魅魔はそう言って霊夢を連れ出す。
「ちょ、ちょっと離しなさいよッ!!」
「暴れない暴れない。それじゃちょっと行ってくるよ誠」
「あ、あぁ分かった」
「誠兄ぃ〜〜〜」
霊夢は魅魔に引きずられて行った。
「……仕方ない、晩飯は俺が作るか。カレーでも作るかな」
俺は溜め息を吐いて台所に向かった。なお、晩飯時に霧雨魔理沙はどうなったか聞いたけど何でも一人で生きていけるらしいので魔法の森に住居を構えたそうだ。
……放任主義か? 霧雨も苦労してそうだな。たまに様子を見に行っているらしいが。
その日からの食事は二人分から三人分になるのであった。
山の中にある石段を登るとそこは無数の板塔婆があるところに五十音ことはがいた。
「……久しぶりだね誠兄、孝兄」
ことはは持ってきた花束を八雲誠と敷島孝之と書かれた板塔婆の前に置いた。
「相変わらず秋名やヒメ、恭助達は元気だよ。まぁヒメは元気が有りすぎるけどね」
ことははそう言って笑う。しかし直ぐにそれは消えた。
「もう二人がいなくなって三年が流れたよ……ヒメ達がいるけど……私は二人もいてほしかった……」
そう言ってことははぺたんと地面に座る。
「……私ね、二人が死んだとは思えないよ。だって誠兄は雷が当たる前にスキマみたいなのが開いたしね」
秋名やヒメ達は見てないと言っていたがことはには見えていた。確かに誠がスキマの中に吸い込まれるのを……。
「スキマの中には目が多数あった。事務所の地下にある書物を読んでいるけど、まだ見つからない。でも……」
ことはは立ち上がる。
「私はまだ諦めていない。誠兄の事も、孝兄の事も。だから……それまで待っていて」
ことははそう言って元来た道を歩いて行った。そして草むらから現れるのは二人の神と妖怪である。
「……やっぱ誠は幻想郷にいたか……」
「えぇ。誠君には神社に倒れてたとは言ってるけどね」
神の名は士夏彦雄飛。エロいおじさんであるが神である。
そして妖怪は幻想郷を作った八雲紫である。
「孝之の居場所は?」
「それが何処に送ったか分からないわ。何せ、あの時は無我夢中だったわ」
「……まぁいい。二人が生きているならな」
「あら? 返してほしくないの?」
「馬鹿野郎。俺は神だが此処(桜新町)の土地神は八重だ。俺は守り神さ」
士夏彦はそう言って薬タバコに火を付けて煙りを吐き出す。
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