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『彼』とおまえとおれと

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「ほんっっっっっ………とうに、おまえは紛らわしい!」



「だから、ごめんって!謝ってるじゃんか!犀のばか!心狭い!」



「狭くない!あーくそ、ドキドキした分を返してくれ〜…死ぬかと思った…」



「大げさな」



「大げさじゃない」



「…ばか」



「でもそんなバカが好きってことでアーユーオッケ〜〜?」



「意味わかんないっ!」



「わかるだろ。答えろよ」



「………………」



日紅(ひべに)。俺だっておまえのこと全部が全部わかってるわけじゃない。言葉で言わなきゃ伝わらないものもある。俺は、お前の口から、ちゃんと聞きたいから」



「………………………せいのことが、すき」



「ハイ、よくできました〜」



「あっ!やめてよ!せっかくおだんごがんばったんだから!崩さないで!」



「ははっ、今俺空飛べる!」



「何言ってんの、バカ…」



「いや、嘘じゃない。今ならマジで何でもできそうな気がする。あ〜俺今マジで幸せ〜」



「はいはい。じゃあ帰りは飛んで帰ろうね」



「先に帰るなよー今日どこか寄って帰ろう」



「そーだな〜〜モンブランとーシュークリーム!」



「謹んでおごらせて頂きます女王様」



「当然よ!おーっほっほっほ…って何やらせるのよ!」



「いって!俺のせいじゃないだろ?」



「犀のせい!」



「うおおなんかいきなり寒く…?」



「ギャグで言ったんじゃないわ!」



「…?あ!やっべ予鈴だ!日紅走るぞ!」



「待って!こないだみたいな全力疾走はもうしないからね!?あたしあれでひどい目にあったんだから!男と女のリーチ考えてね!」



「それは…悪かった!それも含めて今日おごるわ。急ぐぞ!」



 顔を見合わせて走っていく、犀と日紅の手はしっかりと繋がれていた。



















 だん!と犀は机に手のひらを叩きつけた。



 机の持ち主は、ゆっくりと目を落としていた参考書から顔をあげる。



「青山」



 犀の声が教室のささやかな喧騒のなか低く響く。



「こういうことだから、諦めてもらうぞ」



 犀の腕の中には、顔を真っ赤に火照らせた日紅がもがいていた。



 それを見て、青山はにこっと完璧な笑顔で言った。



「嫌がって
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