後悔と前進
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不和を見抜いている。彼はリューネブルクに名誉の戦死を与えず、帝国軍の中ですり潰してやれ、と言っているようなものなのだ。どちらが残酷か、言うまでもない。
「……フロルも、いい加減、いい性格をしているものだ。だが、ここで逃して、あとで同盟に大いなる災いをもたらすとも限らないと思うが?」
「あの程度の男に構ってられるか。それにシェーンコップ、俺はおまえの方があの男よりも強いと信じているんだ。例えここで倒さなくとも、いつか将来の戦場であっても、おまえは勝つよ。俺が保障してやる」
「まったく、大言壮語というべきか、大した自信だな」
(だが、悪くない)
「物資など、出撃に必要なものと用意は惜しまない。好き勝手に遊んでいい。最初は俺が付いて行く必要はないだろう。三日くらいしたら俺も連隊に同行する。チュン少将にもお願いしておく」
そこでフロルは大きくにやりと笑った。それはまるで子供が悪戯を思いついた時に浮かべるような、純粋で残酷な笑みだった。
「薔薇の騎士ここにあり、帝国軍に思い知らせてやれ」
「言うまでもない」
シェーンコップは、自分もまた、似たような笑みを浮かべて、右手に戦斧《トマホーク》の重みを思い出していた。
12月1日、同盟軍はいよいよ要塞目前にまで進出。第6次イゼルローン要塞攻略戦は本戦に突入した。そして薔薇の騎士連隊は、戦場の各所でその力を大いに奮うことになる。
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※訂正※
帝国軍総司令官→帝国軍宇宙艦隊司令長官
軍艦隊→艦隊
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