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SAOもう一人の聖騎士
追想〜審判の終わり〜

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ラフコフとの決戦が終わって一週間。俺は、本部がある洞窟の上で、俺は煙草を吹かしていた。

フゥーと天に向かって煙を吐く。俺は未成年だが、どうせここは仮想世界。現実の世界の俺の体にはニコチンもタールも0.01mgすら接種されていない。味がするだけの嗜好品だ。いつか、仮想空間を利用した禁煙ソフトウェアが発売されるかもしれない。などと約体の無い考えをしている内に、一人の男性プレイヤーが近づいている事に気付かなかった。

「やぁ。」

「・・・・・・・・・ッ!」

十人に聞けば十人がイケメンと答えるような容姿の癖に、野暮ったい眼鏡を掛け、顎に薄く髭を生やしているせいで台無しになっている男・・・・・・・・忘れる筈も無い。<曙の槍>(アマテラス)を裏切った二人の片割れ、カーンだった。

「・・・・・・・・お前とハフナーの名前がグレーになっていなかった時から予感はしていたが・・・・・・・・今更何の用だ?」

警戒を密にし、いつでも剣を抜き放てるよう左足を引き右手を背中の剣に掛ける。今の奴の装備は軽装だ。俺がアマテラスに所属していた当時奴は重装備だったが、今は金属防具を必要最低限しか装備していない、キリトのような装備だった。

「そうカリカリしないでくれ。あ。そうだ、煙草くれないかい?」

あまりに間の抜けた言い様だったので、思わず素直に煙草を渡してしまった。

「ふぅー。依頼と言うのは他でも無い、復讐さ」

「・・・・・・・・意外だな。お前が煙草を吸ってるのを見た事は無かったが」

少しでも会話を引き延ばそう。そう考えている自分がいた。相手は仲間を裏切り殺した憎むべき相手。しかし、どうしても躊躇してしまうのだ・・・・・・・何故なら、彼自身も俺の仲間だから。少しでも遅らせたかった。彼と剣を交えるのを。

「知らなかっただろ?本当は吸うんだ。アマテラスで知っていたのはハフナーだけさ」

「彼女の装備品をはじまりの街に住んでるお姉さんに届けてね・・・・・・・その帰り、我慢できずに一服したよ。その後泣いた。十年分は泣いた気分だ。」

彼は語ってくれた。裏切った理由。拐われたのはリオナの姉で、彼女の為にカーンとハフナーがアマテラスを裏切った事。・・・・・・・・そしてそれは、全て彼女を消そうとした姉の自作自演だった事。

「そう。復讐さ・・・・・・・・キリト君も呼ぶと良い・・・・・・・・クラディール。全てが終わったら僕達は煮ようが焼こうが好きにして良い。でももう終わらせよう。<曙の槍>(アマテラス)の全てを」

「・・・・・・・良いだろう。その妄執、審判の騎士(ラダマンテュス)が断ち斬ってやる!」

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