フロル、帰還
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ーンコップの昇進もできるよう、頼み込んだ。
セレブレッゼは色々と思うところがあったようだが、それを承諾し、約束した。これで恐らくシェーンコップは大佐になり、薔薇の騎士連隊の連隊長として正式に任命されるだろう。
その間、彼の副官はずっとフロルの右手を握っていたのだが、セレブレッゼは何も言おうとはしなかった。
次に現れたのはヴァレリー・リン・フィッツシモンズ中尉であった。イヴリンと彼女は顔見知りだったらしく、お互いの顔を見て小さく笑い合い、お互いの無事と、お互いの男の無事を祝った。
フロル自身はヴァレリーとの面識はなかったが、彼女は丁重に彼に頭を下げて感謝の言葉を口にした。彼もまた、それに応えた。もっともシェーンコップの口調が移ったのか、
「美人薄命って言葉は、俺が一番嫌いな諺なんだ」
などと応えたせいで、かなりきつくイヴリンに睨まれてしまったが。
ヴァレリーとイヴリンは一緒に病室を出て行ったが、その際イヴリンに一つ頼み事をした。ハイネセンにいるキャゼルヌに彼が無事であると、伝えるように頼んだのである。
そのあと、担当医官がやってきて、彼の肺の損傷が激しく、また右鎖骨下動脈が傷ついており、そこからの出血が大変であったこと、肺は人工再生した有機人工器官で置き換えたので、今後の運動などに制限はつかないこと、などをフロルに伝えていった。
フロルは内心、ここまでの医療技術が進んでいることに、改めて驚いた。恐らく彼の前世で今回のような傷を受けたならば、確実に死んでいただろう。彼はそこにも感謝した。この胸の痛みや違和感は一か月ほどでなくなるという。この段階で超長距離ワープが可能になるので、そこでハイネセンに戻り、更にリハビリに三か月はかかるとのことだたった。
フロルはそれに了解した。
フロルはそこからの一か月、つまり4月一杯をセレブレッゼ中将の手に余る軍事的な事後処理に費やし、5月3日、思いの他長く駐在した、このヴァンフリート4=2を発って、一路ハイネセンに帰還を目指した。それには基地撤退の最後まで居残っていた薔薇の騎士連隊やセレブレッゼ中将が同行し、ここにヴァンフリート4=2同盟基地は爆破処分されたのであった。
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※訂正※
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見識→面識
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