第六十六話 プリティ=デビル
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女は直感でそれを感じ取っていたのだった。
「どうも」
「そうですか。違いますか」
「正体も一切わかっていません」
ラクスはそこも言う。
「ですからここは」
「わかっています、慎重にですね」
「はい」
彼女が言いたいのはそれであった。
「それで御願いします」
「了解。全軍に告ぐ」
バルトフェルドがラクスの言葉を全軍に伝えてきた。
「敵の正体がわからない。だから慎重にな」
「慎重にか」
ミリアルドがそれを聞いて呟く。
「確かにそうあるべきだな、今は」
「ミリアルドさん」
ラクスは彼にも声をかけてきた。
「何だ?」
「敵の攻撃を受けないで下さい」
彼にこう言うのだった。
「くれぐれも」
「敵の攻撃をか」
「はい」
そこを念押しするのだった。
「何かよからぬものを感じますので」
「わかった。では注意しよう」
「御願いします。これは皆さんもです」
他のメンバーに対しても告げていた。顔は真剣そのものである。
「受ければそれで大変なことになってしまいますから」
「何でそれがわかるんですか?」
ダコスタはそこを尋ねる。
「どうしてまた」
「何となくです」
ラクスの返事はこうだった。
「わかったのです」
「そうですか」
「私も。何か」
ここでくすりと笑ってみせてから述べた。
「ニュータイプの方と同じなのでしょうか」
「まあ少なくともあれですね」
その彼女にバルトフェルドが答える。
「今までの戦いで成長されたのは確かですね」
「そうですか」
「戦うからには誰かを倒さなくちゃいけませんね」
「ええ」
彼の言葉にこくりと頷く。
「敵を殺さなければならない時があります」
「そういうことですよ。殺さないともっと多くの人が死ぬことになる」
「そして悲しむ人も」
「グラドス軍なんかそうですよね」
ダコスタはいいタイミングでグラドス軍を話に出した。
「あの連中なんかは」
「ああ、それそれ」
バルトフェルドも彼等の名前に対して頷いてみせる。
「その連中のことを言いたかったんだよ」
「そうですか、やっぱり」
「あの坊やだってそうだね」
その坊やが今目の前でフリーダムを駆っていた。
「グラドス軍のSPTのコクピットを撃ち抜いていたね」
「はい」
「それでいいんだよ」
バルトフェルドはそれをよしとしたのだった。
「それでね。彼等を放っておいたら」
「そうです」
ラクスの答える言葉が強いものになっていた。
「犠牲者が増えます。ですから私はキラにも」
「ですね。やっぱり」
「戦えるからには戦わなくちゃいけない」
バルトフェルドが言う。
「誰かを護る為に」
「そして倒さなくてはなりません」
以前のラクスなら間違いなく言わなかった言葉だ。しかし彼女は今それを自分の意
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