第六十三話 邪魔大王国の最期
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おおおおおっ!」
二人は空中で激しい一騎打ちに入った。互いに拳を繰り出し剣を振る。しかし戦いは空中で決着せず着地してからも続いた。激しい応酬が繰り広げられる。しかしその中で。
「おのれっ!」
竜魔が突きを繰り出した。しかしジーグはその剣を右足の蹴りで飛ばした。
「ぬうっ!」
「ケリをつけてやる!」
その一瞬の隙をつき。懐に飛び込んだ。そして。
「ジークブリーカーーーーーーーーッ!」
両腕で竜魔をねじ締めにかかった。マグネットパワーを使わずそのまま掴んで。
「ううっ、ぐうっ!!」
「フローラーの痛み!」
まずはこう言う。
「そして多くの人達の痛み思い知れ!」
締め付けをさらにきつくする。そして遂に。
「死ねえええええええええええーーーーーーーーーっ!」
「うぐおおおおおおおおおおおおおおおっ!」
竜魔を打ち砕き真っ二つにしたのだった。真っ二つになったその場で爆発し遂に倒れた。既に戦場に邪魔大王国は残っていない。ロンド=ベルは決戦に勝利したのである。
「終わったわね、宙さん」
「ああ」
美和に対して答える。
「これでな。邪魔大王国との戦いはな」
「そうね」
「作戦終了!」
大河が言う。
「邪魔大王国との戦いはこれで終わった。それをここで宣言する!」
「終わったか」
「けれど」
美和が言う。
「フローラは」
「フローラは己の運命を受け入れた」
宙がその美和に言った。
「だから。もう」
「そうなの。彼女が望んだことなのね」
「ああ、そうだ」
そのことも告げた。
「全てな。その結果だ」
「フローラ・・・・・・」
「ミッチー、俺は考えたんだが」
「何?」
「戦う」
まずはこう述べた。
「これからもな。皆の為に」
「皆の為に」
「そしてフローラみたいな存在をこれ以上出さない為に」
こうも言うのだった。
「俺は戦う。これからもな」
「宙さん・・・・・・」
「それでいいよな」
「ええ、御願い」
微笑みになって宙に応えた。
「宙さんなら出来るわ」
「有り難う」
「これからも長い戦いが続くけれど」
「そうだ。しかもずっと激しくなる」
この邪魔大王国との決戦よりも。遥かに激しくなるというのだ。それはわかっていた。
「だからこそ俺は」
「戦いましょう、宙さん」
美和はあらためて彼に言う。
「これからも」
「ああ、一緒にな」
二人でそれを誓い合う。邪魔大王国との戦いはフローラという尊い犠牲を払って終わった。しかしすぐに次の戦いが彼等を待っていたのだった。
「それで次は鬼ってわけかよ」
「やれやれだぜ」
甲児と勝平がぼやいていた。
「まあわかってたことだけれどな」
「それでもよく出て来やがるぜ」
「けれど今度の戦いに勝ったらもう日本での脅威はなくなるわ」
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