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ソードアート・オンライン 穹色の風
アインクラッド 前編
会議が招いた再会
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びっくりした……」

 トウマは今のがマサキの仕業だと分かると、途端に安堵の表情を浮かべて言った。

「そうか? 元からここで合流する予定だっただろう?」
「いや、それはそうなんだけどさ。……もうちょっとこう、声を掛けるとかにしてほしかったな〜、なんて」
「別にいいだろう、《圏内》じゃPKもモンスターも出ないんだ」
「それは、まあ、そうなんだけど……」

 ぶつぶつとトウマが歯切れの悪い返事を繰り返し、話が前に進まないため、マサキはトウマが持っている大剣に話題を変えた。

「それで、それにするのか?」

 マサキが言うと、トウマも話題が変わったことを理解して、ようやく普通に話し出す。

「ああ。一応これが一番性能良いんだ。攻撃力重視ってところも気に入ったし」

 どうやら話したことによって決心がついたらしく、トウマは何度か頷いた後にウインドウを操作してそれを購入、すぐさま装備した。すると、今まで腰にあった黒塗りの片手剣が姿を消し、代わりに幅広の大剣が背中に吊られた。刃は両側についていて、朝日の光を受けて鈍色に輝いている。持ち手の部分には黒い皮が巻かれ、当然だが両手で握るように設計されているため、今までトウマが使っていた《ブラックソード》やマサキの持つ柳葉刀とは長さが決定的に違う。また、刀身はかなり肉厚で重そうだが、その分攻撃力も高そうに見える。
 マサキはその剣に近づき、一度指でタップした。即座にウインドウが呼び起こされ、剣の詳細情報が表示される。それによると、名前は《ロードブレイド》。見た目通りの重い大剣だった。
トウマは背中に心地良い重さを感じながら、マサキの体をフィールド方面に向かって押した。

「さ、それじゃ試し斬りといこうぜ!」
「はいはい」

 マサキは降参、とでも言わんばかりに両手を肩まで上げ、門へと向かった。


 それから数時間が経ち、トールバーナの町を照らす太陽が大分西に傾いた頃、マサキたちは再び噴水広場に集まっていた。ディアベル達のパーティーが第一層のボス部屋を発見、攻略会議を行う、という情報がアルゴから届いたためだ。
 前回の会議内容の密度からして、今回もさほど重要なことは話し合われないのではないかと不安視していたマサキだったが、今回も広場の中央で青髪を爽やかにかきあげて見せた騎士(ナイト)様は、その見方の上を行って見せた。

 彼の話によると、彼らはボス部屋を発見したあと、勇敢にも扉を開き、住人に拝謁賜ってきたらしい。その後も誇らしげな顔で報告を続けていく。彼の情報は要点を的確に押さえていて、マサキもその点に関しては評価していた。
 ――既にアルゴから攻略本を受け取っていたマサキ達にとっては、無用の長物だったが。

 その後、会議は一時中断となった。“アルゴの攻略本 
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