驕り
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<ルビスの塔>
「心の狭い女だな…」
リュカのふざけた態度にブチ切れているマーサ似の女神ルビス。
しかしリュカはルビスの怒りに怯むことなく、クスクスと笑いながら更に怒りを煽っている。
「こ、心が狭いとは…神に対して何という言いぐさ!少しは弁えたらどうですか!?」
態度を改めない男に対し、喚き散らすルビス…
「弁えるのはお前だろバカ女!」
しかしリュカの態度が一変する。
「………!」
強烈な怒気を発し、先程まで怒り心頭だったルビスを何も言えなくする。
「一体どれだけの人間に迷惑をかけていると思っているんだ!?…それを考えたら、僕がちょっとくらいアンタをバカにしたって、金切り声を上げるべきではないだろうに!それが何だ?この世界を創造したのなんのって偉そうに…お前この世界を造った後に、外敵からの侵略に対し何ら対策を講じてないじゃないか!しかもアッサリ封印されて手も足も出なくなってるし…」
「そ、それは…し、仕方ないじゃない…不意を突かれて、どうしようも出来なかったんだもの…」
数分前には大激怒していたのに、人間の怒りの前に萎縮して胸の前で両手をモジモジさせている。
「そんな程度の奴が、『自分は神だ。皆崇めろ!』と偉そうにするなと言っているんだ!僕がアンタをどう呼ぼうと、サラッと受け流す寛大さを見せてみろってんだ!何より僕は、最大の被害者なんだぞ…アンタとあのヒゲメガネに、無理矢理連れてこられた被害者なんだからな!」
「ヒゲメガネ?…誰ですかそれは?私が助けを求めたのはマスタードラゴンですよ。ヒゲメガネ…神違いでは?」
「え!?マスタードラゴン様が今回の件に関わってるんですか?」
触らぬ神に…と言う事で傍観を決め込んでいたティミーだが、一連の原因にマスタードラゴンが関わっていると聞き、思わずルビスに詰め寄った。
「え?…貴方も異世界から訪れた方ですか?おかしいわね…マスタードラゴンは、最も頼りになる男を1人差し向けると言っていたのに…」
「僕を追って自力で来たんだよ」
「そ、そんな…不可能です!本来、この世界と貴方達の世界とは繋がっておらず、人間の力だけで行き来する事は出来ないんです!我ら神々が力を合わせて、初めて可能になる事象なのです!」
あり得ない現象を前に驚き戸惑うルビス…
「ふざけんなバカ!そうやって神は人間より上だと思っているから、今回みたいにダッセー結果に陥るんだ!この世界の混乱は全てお前の驕りによるものだ!人間は大切な人の為なら、持てる実力以上の結果を出す事が出来るんだ…創造主のクセに何も知らないんだな!」
人間に説教され、目を見開いてショックを受ける女神。
しかし直ぐに穏やかな表情へと戻り、リュカを優しく見つめ語り
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