願いと現実
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願いと現実
「さて……行くか」
「……どこに?」
「アルン。世界樹にさ」
「観光?」
「いや……殴り込みかな?」
そう言うとミユはいつもの無表情な顔を崩し眼を丸くした
「……一人で?」
「いや、さっきまで仲間がいたんだが、<<ヨルムンガルド>>に食われてまってな。今ごろ<<スイルベーン>>にいるかなぁ」
「<<ヨルムンガルド>>の捕食攻撃にダメージ判定はない。たぶん今は<<ヨツンヘイム>>」
「氷の国……ね。まあ、あいつならさらっとクリアしてアルンに湧いてきそうだな」
「湧いて……液体?」
「……なわけないだろ」
ミユはちょっと天然だな。そう思ったリンだった
「とりあえず、アルンに行って置けば間違いないだろ」
「私はあなたに従う」
俺は一つため息をつくと口を開く
「少しは自分で考えろ。ミユは人形やロボットじゃない。人間なんだから。自分のために生きろよ」
「……わかった。考えておく」
「……まあ、とりあえずはいいか。アルンへの行き方は知ってるか?」
「知ってる。こっち」
ミユはそう言って北の方角へ俺の腕を引いていく。俺はそれについていくことにした
「なあ。リアルの話をするのはルール違反だと思うが、借金はいくらぐらいあの女にしてるんだ?」
「一千万円……」
「一千万円!?何をやったらそんな額に……」
「親が事業に失敗して……蒸発した」
相変わらずの無表情で淡々と言うがミユの口元が強張っていた
「……すまなかった」
今のは聞くべきではなかったのだろう。だから素直に謝る
「別にいい」
空気が気まずくなりしばらく無言で歩く。その沈黙を破ったのはミユだった
「なんで世界樹に殴り込みに行くの?」
「友達を叩き起こしにな」
「……よくわからない」
「まあ、わからないだろうな。でも、誰にも理解されなくても、俺はそいつを助けることができる可能性が一パーセントでもあるなら突き進む。それが友達ってやつだろ」
「……そう……」
俺は最大限の笑顔でミユを見て言った
「お前ももう友達だぞ?困ったことがあったらどんな方法を使ってでも助けてやるからな」
そうするとミユはそっぽを向く。微妙に見える頬は赤く染まっていた
「……それは反則……」
「何か言ったか?」
「……何でもない」
主人公はニコポのスキルを手に入れた(笑)
アルンまでの道のりは比較的楽だった。モンスターはでるが、ほとんど俺が<<フルンティング>>で瞬殺。複数出た場合は、ミユの魔法で牽制し、その隙に俺が突っ込むという戦術をとりすぐに全滅する
というわけであっという
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