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MUV-LUV/THE THIRD LEADER(旧題:遠田巧の挑戦)
19.初陣V
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がるBETAを撃ち、斬り、吹き飛ばす。体が勝手に反応している感じがする。戦術機の隅々まで自分の神経が行きわたり思うように動かせる。今までにない感覚。これなら間に合う!
視界が開け目の前には夕雲に群がる戦車級の群。胸糞悪い光景だがこいつらを殺せば救出できる。今行くぞっ!
だが次の瞬間に見えたのはキメラ4のバイタルがフラットになったことを示す表示だった。
茫然と立ち尽くす。戦闘中にあり得ない行為だが頭が真っ白で何も考えられない…。望遠レンズ越しに見える光景が理解できない。
戦車級がくわえている物は何だ?戦車級はヒトガタを握りしめ、まるでスナックを齧るようにその上半身を食いちぎった。零れおちる内臓、叩きつけられた下半身。そしてそこに群がる闘士級のBETA。小型種のBETAが戦術機を解体し咀嚼する。そこに人の姿はない。人だった物体が転がっているだけだ。
もう……何が何だが分らなくなった。ただ腹の底から湧き上がる感情がある。それはドス黒くグルグルと全身を駆けまわる。出撃前に感じていたものと似ているが、少し違う。恐怖や怒り、悲しみ、憎しみ。そんな負の感情が入り混じり混然とした感じだ。
息が荒れる。
手は操縦桿を握りつぶさんばかりだ。
黒い感情が全身に行き渡ったのを感じた。その後のことは覚えていない…。
巧side out
◆
ボパール・ハイヴ漸減作戦は結果として成功した。多くの弾薬、戦術機を始めとした兵器を消耗したものの人的被害は想定内に収まり、基地に集められた情報を統合すると五万近いBETAを殲滅したと考えられた。この漸減作戦を一週間ごとに後三回行うことで後のハイヴ攻略戦の成功率を上げることができる。
そして巧たちキメラズが二回目の突撃の時に遭遇したBETA群は旅団規模の大群であったことが明らかになった。帝国軍派遣部隊第147分隊との戦闘で隊列が縮まり混然状態であったこと、戦車部隊の後退に伴い一定時間支援砲撃無しなったことなどの悪条件の中キメラズは必死に応戦するも多勢に無勢、三人の犠牲者を出してしまった。
その後、体制を整えた戦車部隊は岩崎から直接の命令で『BETA殲滅を最優先にした砲撃』を実行。巧の夕雲を巻き込んだ集中的な砲撃によって多くのBETAを殲滅。補給を終えたキメラズと再編成した帝国派遣部隊が残存BETA掃討に向かった。
そこではBETAの血と死肉をまとった夕雲が孤軍奮闘していた。巧は幸いにも集中砲火を逃れ、BETAとの戦闘を続けていたのである。複腕の長刀が折れ、中破状態であったが錯乱した巧は戦い続けたという。
周防が隊長権限による遠隔操作で強化装備の鎮静剤投与と催眠暗示を施し、大人しくなったところを志乃と南に基地まで運ばせた。
基地の医療施設出精神安定の処置を受けた巧は、岩崎から上官命
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