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MUV-LUV/THE THIRD LEADER(旧題:遠田巧の挑戦)
19.初陣V
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残骸に群がる赤い戦車級の群だった。
「ひ、ひでぇ…。」
多くのBETAは進行を続けているが、小型種は『食事』を続けている。衛士はもう助からないだろう。
『全機120mm滑空砲装備!引きつけて突撃級を狙い撃て!その後700後退、陣形を整えて遅滞防御を行う!』
BETAはその進行速度の違いから自然と陣形を取る。足の早く前面に強力な外殻を持つ突撃級は最前衛、戦力の大部分を占める要撃級や戦車級は中衛、強力な光線級や要塞級は後衛になる。しかし戦闘などでBETAの進行が遅まるとそれらの隊列が縮まり乱れ、混在した状態になる。そうなると戦術機としてはとても戦いづらくなるのである。
それを避けるために周防はまず突撃級を狩った後、要撃級や戦車級などの主力をまとめて叩く作戦をとった。初陣で近接戦をこなすのは難しい。それを考慮した理にかなった作戦だった。しかし人間の常識など通じないのがBETAなのだ。
『うおぉぉ!死ね!死ねぇ!』
後衛の吹雪に搭乗した隊員が両主腕に装備した突撃砲から120mm滑空砲を撃ちまくる。しかし引きつけが足らないために威力も狙いも足りず強靭な外殻にはじかれてしまう。
『くそ!何で、何で死なないんだ!くそぉぉ!!』
『キメラ9!もっと引きつけろ!焦るな!』
後衛を任されている南が落ちつけようと声をかける。しかし恐慌状態に陥った隊員にその声は届かず、狂ったように撃ち続ける。隊員には突撃級が既にすぐ近くまで迫っているように感じていた。
『くそ!隊長、処置の許可を!』
処置の許可を隊長に請う南。しかし既に遅かった。プレッシャーに耐えられなかった隊員は突撃級をかわそうと迂闊に跳躍してしまった。
そこへ狙い澄ましたかのように閃光がはしる。光が寸分たがわずコクピットを貫き蒸発させ跳躍ユニットの推進剤に火をつけ吹雪は爆散した。一瞬の出来事だった。
それを見た初陣組は死の八分を乗り越えたことで得た自信を粉々に粉砕された。一人前だと思っていたのはただの錯覚で、死の八分を乗り切ったのは実力ではなく状況に助けられただけだということが分かってしまったのだ。
迫る突撃級に後ろに控える無数のBETAに恐怖する隊員。そこに巧が援護を入れる。
「落ち付いてください!BETAの足は俺が止めます!」
巧は背部の兵器担架マウントを前面に展開し36mm機関砲を突撃級の足に狙いをつけて斉射する。足を撃ち抜かれた突撃級は足を引っかけられた様に転がった。
「今です!落ち着いて狙ってください!」
巧の個人技に助けられ少し落ち着きを取り戻した後衛組が120mmで突撃級を粉砕する。
『良いぞキメラ5!前衛は気にせずその調子で後衛組の援護を頼む!』
周防からの激励を受け取り巧は援護攻撃を続ける。前衛組はベテラン組でそれなりに動けているが、後衛組は経
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