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MUV-LUV/THE THIRD LEADER(旧題:遠田巧の挑戦)
18.初陣U
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21.初陣U
漸減作戦はハイヴ攻略と違って本来は積極的防衛策と言えるものである。方法は単純な陽動で、地上戦車部隊による支援砲撃とBETA支配地域への突入によってBETAを誘引し出てきたところを殲滅する。その際に戦術機部隊は誘引と防衛に専念し積極的な攻撃は行わないというもの。ボパール・ハイヴは造られて間もなく、レベルも低いと見られているために本来なら5ヵ月毎の漸減作戦が適当だが、今回はその後に控えるハイヴ攻略作戦のための布石としての意味合いが強く、一週間に一度というハイペースかつ攻撃的なプラントなっている。
これまでハイヴ攻略作戦が尽く失敗し、大きな犠牲を払ってきたことで多くの人間が漸減作戦は容易なものだと勘違いしている。確かに超国家的作戦で大戦力を投入しても成し遂げたことのないハイヴ攻略や、国をかけ逃げ場のない戦いを強いられる防衛戦と違って漸減作戦は言ってしまえば『間引き』なので簡単に思える。しかし一度でも実戦を経験した人間はその困難さと責任の重さを知っている。『間引き』する相手はミンチになるまで蠢き人間を食らう化け物で、数は蟻の大群を彷彿させるほど多い。ミスは犠牲につながり、下手をすれば基地を潰すことすらあり得るのだ。事実、漸減作戦の失敗によって戦力を落とし、結局戦線が崩壊することもある。BETA相手に楽な作戦など無いのだ。
◆
巧side
とうとうこの日が来た。幼い頃から培ってきた衛士としての力が試される時だ。……情けないが震えが止まらない。武者震いじゃない、恐怖からくる震えだ。腹の中がぐるぐるして今にも吐きそうだ。今朝はトイレに三回も行ってしまった。何回システムチェックしても気が休まらない。頭の中は真っ白で、地面が水平に感じない…これが初陣の緊張か…。
覚悟は決めていたはずだ…。自分の大切なものはまだ見いだせないが生き残るという意思は本物で、この気持ちさえあれば実戦でも力を出し切れる。そう思っていた。
だが甘かったようだ。俺は思っていたよりも臆病だった。そんなことに今になって気づくとは…。
『キメラ5、大丈夫か?相当な緊張状態だな…。』
急に隊長から秘匿通信があった。そりゃ緊張してるけど何でそんなことが分かる―ああ、そうか!そう言えば試験ってことで隊員のバイタルデータは全隊員とCPに丸見え何だった…。俺のビビり具合全部把握されているのか。あぁ…恥ずかしい!
『まあ気にするな。初陣ってのはそんなもんだ。新任が漏らすかどうか賭けるのは衛士の醍醐味の一つだしな。はっはっは!』
厳格で冗談を言わない隊長がどうにか俺の緊張を和らげようとしてくれているのが分かる。
「すいません…正直緊張しています。自分がこんなになるなんて思いませんでした。」
『お前は優秀だからな。この緊張感にもすぐになれるだろう。本来なら薬
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