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MUV-LUV/THE THIRD LEADER(旧題:遠田巧の挑戦)
18.初陣U
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2000。突撃級到達までは二分です。』
『光線級は!?』
『確認できる分には存在しません。』
『よし、各機安心して飛べ!全機兵器使用自由!キメラ5、わかっているな!?』
「はい!」
三日前のブリーフィングで決められた巧の役割は遊撃である。遊撃というとオマケのようなイメージがあるがこの作戦における巧の役割は『何でも屋』である。基本的には中衛に位置し、周防や志乃と言ったベテランや、巧を除いて比較的慣熟が進んでいる二人を加えた前衛組の援護する。しかし状況が厳しくなれば柔軟に対応しスタンドアローンで動く。状況によっては単独での陽動や補給物資の調達なども行う。エレメントは組まず、その卓越した技能を持ってありとあらゆる援護を行う。まさに何でも屋。到底初陣の衛士に任せるものではない。
しかしブリーフィングで西谷が示した巧の慣熟訓練における情報は正しく、巧が駆る夕雲には誰も合わせられなかった。第三世代機の性能を引き出し縦横無尽に戦場を駆ける巧の夕雲は強力だったが、その反面援護することができなかった。慣熟が進み同じレベルで機体を動かせるようになればそれもできるが、キメラズで巧についてこれる隊員はいない。しかしただでさえ苦戦が予想される時に巧の力を抑えて周りに合わせることはできない。ならばいっそ巧は単独で動き高いキルレートを維持、第三世代機の機動力を生かして前後衛を行き来してもらった方がいい。それが結論だった。
故にこの作戦で巧はこれまで培ってきた個人技能を存分に発揮することが求められてた。通常ではありえない、しかしキメラズが生き残りをかけた苦肉の策だった。
「はぁっ、はぁっ!」
作戦開始から数分、特に何もしていなかったというのに巧の息は荒れていた。周防に一度はやわらげてもらった緊張感が再び襲ってくる。頭は真っ白で思考停止状態。時間の感覚は分からない。しかしそれでも巧の腕は訓練通りに動いていた。
SES計画の賜物か、夢に見るまで続けたシミュレーター訓練のおかげか…理由はともかく巧は不思議な気持ちの中で夕雲を動かしていた。
迫りくる突撃級を飛ばずに闘牛士のようにかわし、背部の兵器担架に搭載した突撃砲の36mm機関砲で柔らかい背面を打ちまくる。それを数回繰り返し振り返ると撃ち漏らした突撃級に追撃。瞬く間に5体の突撃級を始末した。
一方で他の隊員も突撃級の突進を噴射跳躍で回避すると同じように背面を攻撃する。500体のBETAと言ってもほとんどは小型種、大型種でも多くは要撃級だ。突撃級は十数体しかいなかった。
『次、後続のBETAが来ます!距離750!』
次に来たのは戦車級と要撃級で構成される主力。前衛組が接敵した。
『これからが本番だ!良いか!シミュレーターと違ってBETAはミンチになるまで止まらない。きっちり片づけろ!』
「了解!」
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