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MUV-LUV/THE THIRD LEADER(旧題:遠田巧の挑戦)
17.初陣T
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させる。そしてその『特殊任務』は岩崎の権限で得た試作機の全データを米国に横流しすることであった。
◆
場面は変わってブリーフィングルームではキメラズの隊員たちが実戦に向けた訓練の話し合いをしていた。
「実戦試験は予定通り進められることが決定した。しかし我々の慣熟訓練は未だ不完全だ。無策で出撃すれば全滅すらあり得る…。後三日のうちに何とか方策を見つけなければならない。誰か意見はあるか?」
「今全体の訓練達成度はどうなっているんですか?これまでのブリーフィングで全然達成できていないのは分かっているんですが…。」
「西谷中尉、説明を。」
「はい。まず個人の訓練到達度では遠田少尉がトップです。応用課程、発展過程ともに完了し、シミュレーター戦闘における数値も開発当初予想していたものを上回っています。次点は大きく離されて春日少尉。撃震のレベルは超えていますが新型の性能を引き出し切れてはいません。機体に振り回されている感じです。その次は隊長と周防中尉です。それ以外の方は実戦は危険なレベルだと思います。数字上では撃震程度のものは出ていますが、使いなれない機体のシミュレーターで撃震程度なら実戦ではもっと下がると思います。」
「ということだ。本来ならもっと慣熟する時間を取っておきたいところだが、後三日で実戦。最低限の連携を確認しなくては確実に死ぬだろう。」
本来なら連携訓練ももっと時間を取らねばならない。エレメント、小隊、中隊の単位に様々な状況に対応するための陣形。それらを過不足なく行うには互いの考えを理解した阿吽の呼吸が必要だ。一朝一夕で身につくものではない。
「無理だ…出来るわけがない。」
南が弱音を吐く。本来なら戒められるところだが、その思いは隊員全員が持っていたもの。咎める者はいなかった。
「…いいか。そもそも無理難題な試験なんだ。視点を変えよう。いかに敵を倒すかではなく、生き残ることを最優先させて作戦を練るんだ。」
絶望的な状況に希望を見出す為に、隊員たちは必死に策を練る。結局その日の午前はそれだけに費やしてしまったが、何とか作戦はたった。キメラズは生き残りをかけて残り二日半、死ぬ気で訓練する。岩崎と瀬崎が裏切りの密談をしている間に。
◆
そして初陣の日は来た。生き残る策を練ったブリーフィング中に岩崎からは瀬崎が『特殊任務』のために実戦には参加しないことが伝えられた。無論その内容は気になったが上官が『特殊任務』と言ったからにはその内容は秘匿されている。Need to Know の原則というものだ。知るべきことがあるなら知らされる。知らされないということは知る必要がないということ。岩崎がそういった原則を守るとは思えなかったが、上官であることに変わりはない。口を挟むことはできなかった。
巧は機体に乗り込みシステムチ
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